孤立する遺族に救い/自殺から1年、父が支援する会発足=栃木

ホーム ホームへ
読売新聞(12年11月25日東京朝刊33頁)

 鹿沼市立北犬飼中三年の臼井丈人君(当時十五歳)が自殺して二十六日で一年になる。学校でいじめにあっていた丈人君。父親の克治さん(48)は、「孤立する被害者や遺族を励ましたい」と、いじめに悩む子どもたちや親らを支援する会を発足させた。丈人君の友人だった粂川昌彦君(16)らもいじめ問題に関するホームページを開設した。残された者が、いじめ問題の解決に本格的に取り組み始めた。

 この一年間、克治さんは、一人息子を失った悲しさだけでなく、憤りも味わった。自殺の事実関係を明らかにするよう学校側に再三、求めたが、納得できる説明は得られなかった。PTAからも「個人の調査に協力するのは適当でない」と協力を断られた。学校を訴えようと思い、弁護士に相談したが、「(裁判で)負けるのを承知の上なら、弁護を引き受けましょう」と言われた。

 丈人君をいじめた少年二人の家裁での審判結果もマスコミを通して知った。「遺族は孤立するだけ」という思いばかりが募った。

 そんな克治さんを今年一月、一本の電話が勇気づけた。三年前に自殺で息子を失い、学校側を相手に裁判を起こしている前島章良さん(長野県須坂市)だった。克治さんは、「悩んでいるのは自分だけではなかった」と目の前が少し明るくなった気がしたという。「息子の死を無駄にしないためにも泣き寝入りしない」と決心したのもこの時だ。

 今年四月、克治さんは前島さんらと「いじめ・校内暴力で子どもを亡くした親の会」を発足させた。遺族や事件の被害者を訪ね歩いた。交通費などすべて自費だ。「子供が同級生から恐喝されているようだ」「いじめられているがどうしたらよいのか」など様々な相談が寄せられた。学校との交渉の仕方、弁護士の紹介などのアドバイスをした。

 発足当時五人だった会員は今では、全国に約八十人に増えた。克治さんは、「北関東ブロック」を担当。克治さんの呼びかけで、宇都宮市で今年五月に自殺した中学三年の男子生徒の父親も会に加わった。

 克治さんは「私も丈人が亡くなった時、どうしていいのか分からなかった。力になってくれる人が必要なんです。水面下で悩む人たちは、もっとたくさんいるはず」と話している。

 ◆友人 いじめから友守る会発足 HP開き相談相手に

 粂川君は先月、いじめを受けて高校進学を断念した少年らと、「いじめから友だちを守る会」を発足させた。克治さんらの「いじめ・校内暴力で子どもを亡くした親の会」の集まりで、粂川君とこの高校生らが知り合ったのがきっかけだ。

 今のところ、インターネットのHPを通じて、悩みを抱える同世代の相談相手になっている。粂川君は「悩んでいる人を孤独にさせないことと、周囲が傍観者にならないことが大切」と訴える。

 親の会の問い合わせは臼井克治さん(0289・72・1148)。守る会のHPは(http://www.tk1.speed.co.jp/yuusaku/tomodachi/index.html)。

 【鹿沼市立北犬飼中のいじめ事件】

 一九九九年十一月二十六日、臼井丈人君が自宅で首つり自殺した。遺書はなかったが、同月一日から不登校になっていた。学校側が調査委託した専門委員会は今年三月、「いじめは不登校になった要因だが、自殺の原因は特定できない」などとした最終報告書をまとめた。いじめていた少年二人は今月、宇都宮家裁の審判で保護観察処分となった。


こういう時にPTAは何の力にもなれないなんて
何のためのPTAなんでしょう。
あらためてPTAの存在意義が問われるところです。
新聞記事中の守る会のURLが間違っていましたので、正しく直しておきました。

ホーム ホームへ