タイムカプセル開封、埋設 /群馬

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2001.01.01 毎日新聞 地方版/群馬 25頁 

 宇宙旅行にタイムマシン、どこでも行ける不思議なドア……。夢はじける21世紀がやってきた。きょう1日と20日、前橋と館林で20年前の小学生たちが、思い出を封じ込めたタイムカプセルを掘り出す。開封の時を待つカプセルは、当時の子供たちの夢で破裂寸前。一方、板倉では昨年12月、世紀を飛び越えて、2100年の子供たちへのメッセージを詰め込んだカプセルが埋められた。世紀をまたいで、新たな旅立ちを飾る夢リレーだ。

 ◇開封

 ◇前橋・敷島小、1982年−−花壇のなかに作品

 ◇館林・第二小、1979年−−あのころの自分に会える

 元日にタイムカプセルの開封が行われる前橋市立敷島小学校は、創立110周年を記念して1982年12月2日、当時、校庭の一角にあった花壇の中にカプセルを埋めた。「18年後の自分へ」と大人になった自分にあてた作文や絵画、1年間かけて学校の行事を収めたビデオテープなどと一緒に、当時の児童たち767人の「夢」を封じ込めた。

 元日は、カプセルを埋めた際に児童一人一人に配られた「鍵」が持ち寄られ、午後1時から掘り出しが始まる。その後行われる式典では、作品は元児童たちに返され、久しぶりの校歌を合唱する予定だ。

 館林市立第二小学校でも創立50周年の1979年4月7日、校庭のポプラの木の下に埋め込まれたカプセルが当時の児童873人の「夢」とともに眠っている。

 当時3年生だった尾花輝邦さん(31)=同市大手町=も今は、同校近くにすし店を構える2児の父親。「あのころは電車の運転士か車掌になりたかったなあ」と顔をほころばせながら、「カプセルを開けたら、あのころの自分に会えるんだと思う」と話す。

 当時、校長を務め、今回の開封を取り仕切る長谷川高市さん(75)=同市赤生田町=は昨年8月、病床にいる同い年の元教諭を訪ねた。カプセルの開封が今年1月20日に行われることを筆談で告げると、元教諭はポロポロと涙を流しながら、首を縦に振った。長谷川さんは「開封の日は子供たち、私たちにとって永遠の思い出になる」と、開封を待ちわびている。

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 ◇ひとこと

 ◇人とのきずな、再認識の場に−−前橋市立敷島小PTA会長だった前橋市六供町、食堂経営、中里勝彦さん(58)

 当時の児童から「カプセルを開けるのは今年ですよね」と声をかけられたことなどから昨年6月、タイムカプセル実行委員会を再結成しました。引っ越ししている人が多く、回覧板を回したりして一人でも多くの元児童と会えるよう、努力してきました。カプセルが腐っていないか心配ですが、人間のきずなを改めて認識できる場になると思います。

 ◇「自分へ」の作文、娘に聞かせたい−−同小児童会副会長だった富士見村小暮、看護士、佐藤誠さん(30)

 毎日短パンをはいていたころが懐かしい。21世紀は金ぴかの服を着て、宇宙へもすぐ行けるような時代かと想像していました。カプセルに埋めた「18年後の自分へ」と題した作文を、四つになる娘に読み聞かせるつもりです。

 ◇元気で一緒にと子らに励まされ−−当時館林市立第二小学校校長だった同市赤生田町、無職、長谷川高市さん(75)

 カプセルには子供たちの夢と希望が詰まっています。大病も患いましたが、子供たちに「21世紀まで元気で一緒にカプセルを開けよう」と励まされてきました。中の宝物が無事か今からドキドキしています。

 ◇出てくるだろう、思い出どんどん−−同小6年梅組だった館林市大手町、社会保険労務士、猪俣美香さん(34)

 「将来、自分が何をやっているか」。ラジカセに吹き込んで入れました。花屋さんと言おうと思ってたのに、ほかの子に取られ、悔しくて親の職業の税理士と言ったのを覚えています。恥ずかしい気もするけど、開けてみたら当時の思い出が、どんどん出てくるんだろうなと思います。

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 ◇埋設

 ◇板倉町−−100年後に願いを込め

 「3、2、1、ゼロー!」。雲一つない晴れやかな冬空の下、昨年(平成12年)12月12日午後12時12分12秒、板倉町西岡の西丘神社の境内で、タイムカプセルのふたが閉められると、会場に訪れた同町の小学3年の児童30人らが歓声を上げた。間もなく100年後への町民それぞれの思いを乗せて、約2メートルの深さの穴に埋められた。

 カプセルは直径約1・1メートル高さ約90センチのアルミ製。同町の2000年記念事業として計画された。同町議会は、どこにカプセルを埋めるか、議論を重ねた。「あそこなら、沈んでなくなることはないだろう」と白羽の矢が立ったのが、標高24メートルと同町内で最も標高が高い同神社だった。

 町は昨年11月、町の広報誌とともにカプセル用の封筒を各家庭に配布。「100年後に向けて出発するので、乗り遅れないように」と町内の公民館に設けられた回収ボックスへの投かんを呼びかけた。約2週間で、保育園児からお年寄りまで、それぞれの写真、作文、名刺などを入れた約200点の封筒が寄せられた。

 埋設に先立って、埋設式に参加した針ケ谷照夫同町長ら約100人がカプセルに青、黄、緑などのサインペンで名前などを書き込んだ。「自然豊かに」と書き込んだ小学生もいた。

 埋設式に参加した人々からは「100年後、板倉がごみの山になっていたら悲しい」「国の借金が心配」などと将来に悲観的な声が相次いだ。20世紀の課題を背負って迎えた21世紀。しかし、新世紀を担う小学生たちは「戦争のない平和な時代になっている」などと明るい未来を展望している。「100年後はもっともっと幸せになって、明るくなってる」。夢を託されたカプセルは2100年12月12日、開封される予定。

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 ◇未来へコメント

 ◇町総務課長、山岸秀男さん(60)

 100年後に夢を送った。未来の子供たちが、開封する時、胸を躍らせてくれればと思う。

 ◇「サンデーくらぶ」代表、篠塚伸二朗さん(66)

 「揚舟」と「十日夜わらてっぽう」の写真を入れて風俗を伝えたいと思い、カプセルに入れました。「本日の開封式には出席できませんのでよろしく」と書き添えました。

 ◇会社員、増田晃一さん(65)

 ごみの問題が心配。板倉が将来、ごみの山になってたら悲しい。緑豊かなたんぼを残してほしい。

 ◇県サッカー協会顧問、飯塚徳治さん(91)

 県サッカー50年の歩みを見てもらいたいと思い、新聞のスクラップを埋めました。サッカーバカも居たというのを知らせたくて「自分の歩み」も入れました。

 ◇アマチュアカメラマン、小野田填さん(66)

 人間はこんなに地球を汚してしまい、人間は滅びるのではないか。区切りにきちんと反省しなくてはならない。

 ◇町総務課秘書係員、茂呂正義さん(28)

 タイムカプセルを開けた時に、今の様子が伝わって、研究しようという人が現れたらいい。

 ◇町立南小学校長 小此木〓さん(56)

 カプセルで子供たちに希望を持たせたい。21世紀は心の世紀であることも伝えていく材料にしたいと思います。

 ◇町立西小3年、小島聡恵さん(9)

 100年後は昔みたいな、戦争とかなくなって、平和になっている。

 ◇農業、石山甚一郎さん(63)

 100年後の人々に農機具の変遷を年代別に書いてメッセージにしました。名刺も入れました。

 ◇農業、飯塚啓蔵さん(62)

 100年後も身近な自然が残っていてほしい。人間がどうなるかは、この境内に立つ、くすの木が証明してくれると思う。

 ◇主婦、長沢和子さん(59)

 100年後は新婚旅行も宇宙になって、天国に電話できるような時代。「天国のおばあちゃんに電話してね」とテレホンカードも入れた。

 ◇町立西小3年、榎本晃宏さん(9)

 21世紀はドラえもんの時代。どこでもドアやタケコプターでどこにでも行けたり。タイムマシンもある。

 ◇町総務課秘書係員、石川由利子さん(35)

 境内のクスノキの揺れる音を聞くと落ち着く。そんな自然を感じる心や時間のゆとりを残したい。





家の娘(26歳)にも、元日の朝ポストカプセルが届きました。
「21世紀のあなたに届ける夢の郵便」ということで、昭和60年に開かれた科学万博(国際科学技術博覧会)に合わせて、当時の小学校5年生の時の受持ちの先生が企画して投函したもののようです。
消印は60.4.19となっていました。
当時の料金は葉書40円、それがそのままの料金で「ポストカプセル郵便2001」として配達されました。
むすめもびっくり。
裏をみると16年後の夢が4つ書いてありました。
なりたい職業が3つ。ぜんぶはずれでしたが、もうひとつの夢はまだ実現の可能性があります。
これからの励みになるでしょう。
タイムカプセルと言うと100年後が一般的なのかどうか。すこし長すぎるかも。
15年とか20年後ぐらいが適当なのではないかと思う。
卒業記念を何にしようかなと悩んでいる方には一つの参考になるのでは。
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