「朝日新聞」の教科書報道 何を意図するのか 外圧誘導と政府の政治介入?

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2001.02.22 産経新聞 東京朝刊 1頁 総合1面 (全1977字) 


 朝日新聞は二十一日付朝刊一面トップで、検定中の特定教科書について、「中韓懸念の『つくる会』教科書」「政府『政治介入せず』」「中韓など反発必至」などと報じた。教科書検定は政治的な思惑や外交的配慮などに左右されず、教育的な見地から粛々と行われるものである。あえて外圧を誘導するかのような朝日の報道には、疑問を抱かざるを得ない。

 朝日の記事は、「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが執筆者に含まれている扶桑社の中学歴史教科書を中国や韓国が批判しているにもかかわらず、日本政府が政治介入しない方針を固めたため、検定に合格する可能性が高まり、中韓両国からの反発は避けられない−という内容だ。政府が政治介入しないことが問題であるかのような書き方である。

 現在、文部科学省では、平成十四年度から使用される小中学校の教科書の検定作業が進められている。中学校社会科の歴史教科書については、この教科書を含めて八社の教科書が審査を受けている。それぞれ、検定意見に沿った記述の書き換えなどが行われ、間もなく、教科書検定調査審議会で合否が決まる。それまでは、審議会委員に予断や先入観を与える報道は慎むのが暗黙のルールである。

 朝日はすでに、このルールを破っている。昨年七月二十九日、扶桑社の公民教科書の白表紙本を社会面で批判的に報じた。韓国で、同社の歴史・公民教科書を批判する報道が始まったのは、この直後である。さらに、今年元日付の社説で、「『新しい歴史教科書をつくる会』が主導した検定申請中の社会科教科書には、意図的に中国や韓国との対立を作り出す狙いさえ感じとれる」と批判した。そして、今回の報道である。

 朝日はなぜ、公正であるべき検定作業に影響を与えようとするのか。中国や韓国からの批判を期待しているようにも思える。扶桑社の教科書に問題があるとするのなら、検定が済むまで待つべきであろう。

 扶桑社の教科書に限らず、検定前の白表紙本には、明らかな事実の誤りやバランスを失した記述が何カ所かある。これらの問題記述を学習指導要領などに沿って教科書会社に改めさせ、一定の範囲でさまざまな記述を認めているのが、教科書検定制度である。検定後の教科書なら批判は自由であり、われわれもその言論戦には参加したい。

 十五年前の昭和六十一年五月、朝日新聞は検定中の高校歴史教科書「新編日本史」の白表紙本について、「“復古調”の日本史教科書」「原稿本で教育勅語礼賛」などと批判的に報じた。その後、審議会で新編日本史は検定に合格したが、中韓両国からの批判を受け、官邸と外務省が介入した。その結果、異例の合格後四回の書き直しをさせられた。「新編日本史・外圧検定事件」といわれる。朝日は同じ画策を再び繰り返そうとしているようにも思える。

 今回の記事の解説で、朝日は「今回は、逆に右派主導で出されてきた教科書に対し、中韓両国が先に反発した。それに対して政府が判断を迫られた格好だ」と書いているが、朝日が書いたから、中韓両国が反発したのではないか。

 今回の朝日報道が中国や韓国にどのような影響を与えるかは今のところ、予断を許さない。しかし、文部科学省の教科書調査官や検定調査審議会の委員たちは、外部からの批判に惑わされることなく、従来のペースで検定作業を進めるべきである。また、官邸や外務省は、外国からの要求で教科書の記述変更ができないことをきちんと説明すべきである。

 これまでの教科書問題は、日本のマスコミ報道が中国や韓国など近隣諸国の批判をあおり、日本政府が政治介入する−という悪循環の繰り返しであった。

 昭和五十七年夏の「侵略」「進出」で揺れた教科書問題はマスコミの誤報だったにもかかわらず、当時の宮沢喜一官房長官は「政府の責任で教科書の記述を是正する」「検定基準を改め、近隣諸国との友好・親善に配慮する」という談話を発表し、検定基準に「近隣諸国条項」を追加させた。教科書の記述が近隣諸国に配慮するあまり、日本をことさら卑下するような記述が目立って増えたのは、これ以降である。

 平成五年夏、河野洋平官房長官(当時)は元韓国人慰安婦の証言だけで「慰安婦の強制連行」を認める談話を発表し、その後の教科書における慰安婦記述の根拠になるなど、禍根を残した。

 教科書は、日本の未来を担う子供たちが使う公教育の教材である。とりわけ歴史教科書は、子供たちが日本の伝統文化を愛し、日本に生まれたことに誇りをもてるような内容であらねばならない。

 どの国の歴史にも光と影の部分がある。それをバランスよく記述してこそ真の歴史教科書である。今の政治家や役人たちの当面の外交的決着を図るための道具などに使われてはたまらない。

 その意味では、今度こそ、国益を重視するか否か官邸と外務省の真価が問われることになろう。(石川水穂)


朝日新聞などの報道に呼応したかのように2月22日中国政府は日本政府に対して不合格を要求して来たようである。
共産党の独裁国家である中国では、教科書の内容は国が決める国定教科書である。
それに対して民主国家である日本では基本的に自由である。明らかな誤りやバランスを失した表現をただすために検定制度がある。
文部科学省の教科書検定官が検定し、書き換えなどが行われたうえで教科書検定調査審査委員会で合否を決める。
中国の要求はこのような制度を無視して、政府が不合格にせよとの要求である。
民主主義社会は、多様性を許容する社会である。
中国のように、政府に反対する者を直ぐに死刑にしたり、投獄したりする社会とは根本的に違うのである。
侵略がいけないというのであればチベットから中国は軍隊を引き上げるべきであろう。
 自らの被害を言いたてるだけでなく、自分のことを脚下照顧すべきであろう。
日本PTAは、長年「日中友好少年少女の翼」事業を通じて中国との友好を図ってきたが、その効果が充分に上がっているのかそろそろ見なおすべきであろう。
例えば、日本側のメンバーを紹介する文書の中で事務局長のことを秘書長とかの中国語を使用している。
見方によっては、相手国に阿る表現ではないだろうか。
友好とは片務であってはいけない。
お互い対等の立場に立っての友好でなければならない。
こちらから毎回中国に行くのではなく、向こうからも来てもらうようししたらどうだろう。
中国共産党が作った一方的な宣伝文書である国定教科書で誤った世界観を植えつけられた中国の子供たちに真実の世界を知らせる活動も重要な事だと思うのであるが如何であろうか。

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