あるPTA会長の苦悩と決断

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オウム松本智津夫被告の子供3人、龍ケ崎の市立小に通学開始

2001.04.06 朝日新聞 東京夕刊 18頁 2社 


 オウム真理教(アレフに改称)前代表・松本智津夫被告(46)の子供3人が6日、茨城県龍ケ崎市の市立小学校に通学を始めた。教団関係者への反対運動に行政が有効な回答を打ち出さない中、教団との紛争を抱える他の地域を自ら訪ね歩いた住民たちが悩んだ末に出した1つの答えだ。

 松本被告の子供らが同市に転居した昨年7月、住民の大多数は就学、転入を拒んだ市の決定を支持した。3万7000人の署名が集まり、デモに1500人が参加した。

 だが何度も対策を話し合ううちに、「恐ろしいのは教団。松本被告の子供だからとか元信徒だからという理由でたらい回しにしてはいけない」という声が増えた。

 地元小学校のPTA会長を務める篠原大二さん(42)や住民組織の実行委員長になった山口真悟さん(44)らは、どういう解決方法があるのか考えた。休日のたびに「期限付き受け入れ」をした栃木・大田原や埼玉・都幾川など、教団との紛争を経験した町を訪ねたり、弁護士らと会ったりした。

 「オウム真理教家族の会」の永岡弘行会長に「ぜひ話し合って」と言われ、秋以降は子供たちと暮らす母親代わりの元信徒の女性とも話し合いを重ねた。

 3月9日、就学拒否処分取り消し訴訟が事実上の和解で決着した。母親代わりの女性と教団が、それぞれ無関係であることを表明する文書を提出し、市教委が就学受け入れを決めた。

 その夜の報告会。集まった保護者は不安を抱えながらも、就学受け入れを静かに受け止めた。

 篠原さんは自分の子供に謝った。「子供たちは悪くないことが分かった。お父さん、間違っていた」

 もちろん、すべての保護者が受け入れに賛成したわけではない。PTAの最近のアンケートでは4分の1近くの保護者が不安がぬぐえず、「受け入れ反対」と答えている。4人の児童が、保護者の意向で別の市立小に転校した。

 転居から8カ月半。篠原さんは「ここまで来られたのは、いろんな人と連携し、確かな情報を得られたから」と振り返る。協力してくれた人に手紙などで受け入れを伝えた。評価する声が各地から寄せられている。

 ●龍ケ崎市の篠原大二さんから都幾川村へ

 自分の身に降りかかるまでは無関心を決め込み、ご苦労された都幾川村や大田原市の方の気持ちも知らずに騒いだこと恥ずかしく思います。

 ようとしました。きっかけをいただいたのも両市の住民の方とお会いしたからです。

 本当にありがとうございます。本当の受け入れはこれからです。保護者同士の話し合いを今後も設けていきます。

 ●都幾川村の住民の返事

 「受け入れ拒否で採決しろ!」。それが私たち保護者会の第一歩でした。しかしそれは「憲法」や、親として子どもを育てていく「人としての権利」に出合った第一歩でした。

 私たちの怒りは、小さな村に押しつけて何もしない国に対して「何かおかしい」と感じていくようになりました。

 何よりも、オウム真理教(アレフ)を無くすため、元信者または信者の社会復帰を保障する具体的施策は国が第一に行うべきことと思います。

龍ケ崎の皆様の、思慮の深い組織力に心から敬意を表します。


PTA会長としては、保護者の意見を取り上げるべきか、人権を守るか判断に苦慮する所である。
PTAが子供たちの将来の幸せを守る団体であるとすれば、やはり子供の人権をきちんと考えるべきであろう。
龍ヶ崎の子供たちは将来この決断をきっと誇りに思うだろう

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