PTA役員「やりたくない」が多数

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PTA役員 「やりたくない」多数 運営改善の試みも

2001.05.25 読売新聞社 東京朝刊 27頁 写有 (全1576字) 


 PTA役員改選の時期に、読者に聞いた「PTAの活動、どう考える?」。寄せられた約150通の投書のほとんどは「委員、役員はしたくない」という批判的な内容だった。一方で、「子供のためという本来の目的に立ち返ろう」と大胆な改革も試みられている。

 ◆仕事ある身に負担/無意味な宴会

 「夜九時ごろ、担任の先生から『委員を決める日なのに出席者がゼロで困っている。引き受けてもらえないか』と電話がかかってきた。まだ学校にいて非常に困っておられ、気の毒で広報委員を引き受けることになった」と、福岡市の主婦、宮本裕美さん(40)。こんな声に代表されるように、各校ともなかなか引き受け手がいないようだ。

 理由の一つは、働くお母さんが増えたことのようだ。

 「三人の子供がいて、この七年間、毎年なにかの役員をしています。時間的束縛が結構あって、仕事のある身にはかなりの負担。もうくたくたです」(東京都足立区、パート、佐藤景子さん 46)

 「会合は平日の昼間が多く、仕事を休まねばなりません。先生には仕事時間内でしょうが、時間をやりくりする保護者は大変でストレスのもと」(岩手県釜石市、地方公務員、佐々木絵美さん 38)

 内容が形がい化しているという指摘も多かった。

 「運動会の日、子供の夕食もそこそこにおしゃれをして宴会に駆けつける。どこに教育的意義があるのでしょう。会長になって、夜の宴会廃止にばく大なエネルギーを注ぎましたが、結局なにも変わりませんでした」と東京都内の主婦、匿名希望(50)。

 教師の側に、保護者を受け入れる姿勢がない、という声も。子供をアメリカンスクールに通わせた経験のある山梨県玉穂町、自営業、長嶺千代さん(37)は「平日に学校を訪ねても、担任が歓迎してくれ、授業に参加したり、一緒にお昼を食べたりして、子供の生活を知ることができた。日本では父母のボランティアを提案しても拒否される」と、硬直化を指摘する。

 ◆選出に申告制/楽しむには発言を

 PTAは本来、親と教師で組織する自由な団体。「もっと時代に合わせて活動内容も柔軟に変えていっていい」(日本PTA全国協議会)はずだ。事実、同会が集めた事例には、中学生が一日、商店街で働く「インターンシップ」を主催する(北海道旭川市)、学校と協力して、運動や芸術の授業で講師役を務める(川崎市)など、各地の多彩な試みが報告されている。決して全部のPTAが沈滞しているわけではない。

 投書にも、改善の工夫は幾つか寄せられた。

 東京都墨田区の小学校教員、藤川明美さん(43)は、「年度初めに『どの役をいつなら受けられるか』を申告してもらって委員を決めています。私自身も保護者として広報を担当。集まりが夜で、パソコン編集でメールもOKなので、引き受けられました」。

 東京都新宿区の主婦、石田孝子さん(53)は、幼稚園から高校までPTA活動に参加したベテラン。PTA図書の貸し出し、参加者のない道路開放などを廃止する一方で、「クラスの保護者会を中心にした、子供のためのPTA活動」に絞ってきた。

 「少年事件が相次ぎ、親たちは不安を感じている。そんな気持ちを担任の先生と本音で話し合う会を開いたところ、悩んでいるのが自分だけではないこと、先生が考えていることがよくわかった。子供のための活動なら親は集まります」と、成果を語る。

 「PTA役員は楽しい」という“少数意見”の主、東京都練馬区のトリマー、千葉明美さん(37)は「なぜこんなことを、という点もあるが、それは変えていけばいい。楽しく務めるこつは、内輪で不満ばかり言ってないでとにかく発言することです。古い慣習にとらわれがちなPTAだが、時代に合わせて改善を」と明快だ。

 子供のため、PTA運営も工夫が求められている。


【解説】

本ホームページにもPTA役員選出に対する問題提起がされている。
解決するキーワードは「学校のPTA」ではなく
「子ども達のPTAへ」ではないだろうか。
学校単位のPTAが学校後援会になり、従来行事の継続にのみ汲々とするPTAになる背景のような気がする。
もっと自由に「子ども達の未来の幸せを考え行動するPTA」という視点での活動の見直しが必要になるのでは。


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