「校門に鍵」完全には無理/現場の校長ら

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大教大池田小殺傷事件 「校門にカギ、完全には無理」 校長が現場の悩み訴え

2001.06.09 読売新聞 大阪朝刊 31頁 写有 (全1323字) 


 ◆教職員の見張りだけが頼り

 池田市の大阪教育大教育学部付属池田小学校で八日、児童らが殺傷された事件は、府内各学校にも衝撃となって広がった。校長らは「事件を知った児童の動揺が心配だ」などと、子供たちの胸のうちを思いやる一方で、「校門をいちいち施錠するのは難しい」「外部からの侵入を完全に防ぐことは無理」と、“悩める教育現場”の実情を訴える。

 「週末に児童が事件の内容を知り、動揺しないか心配だ。教師と保護者が一丸となって少しでも和らげられるケアをしたい」

 箕面市立萱野小の坂田節夫校長は言う。同小ではこの日、PTA役員らに電話で協力を求め、教職員で校内外の巡回強化、空き教室の施錠、緊急時の連絡体制の流れなどを再確認した。

 会議室を地域住民に開放するなど「学校開放」を進める枚方市立津田小。松田哲校長は「校門を施錠し、逐一開閉するまでの対応は難しい」と話す。「地域住民向けの会議室がある関係もあって、校門は施錠していない。校門は校長室に近く、常にチェックしているが、完全には無理」と悩む。

 八尾市立山本小の内原自信校長も「児童が遅刻してきたり、共働きの親が夕方迎えに来たりで、校門は閉め切っておけない」と言う。京都市の日野小の事件以降、四つの校門のうち二つを、無施錠で閉めるようにしたのが精一杯だという。「警備員を雇っている私立校もあるが、公立では教職員の見張りだけが頼り」と限界を訴える。

 東大阪市立鴻池東小の植田忠雄校長は、事件に「背筋が寒くなった」。八日は、児童の下校時に校長自身が校門に立ち、一人一人を見送った。同小では児童の登校時、正門に教師が立ち、通学路の危険な場所を校長、教頭が見回り、保護者にも旗を持って立ってもらっている。登校後は門の扉をほぼ閉めている。

 最近も近隣校区で、子供が変質者にカッターナイフを突きつけられたため、同小でも校区内をパトロールしたばかり。教師が、知らない来訪者に「何のご用ですか」と声をかけることも徹底。教師に、緊急時の職員室への連絡用に、常に携帯電話を持つようにも呼びかけている。

 「しかし……」と植田校長は言う。「万一、侵入者が教室まで来たらと考えると、頭が痛いんです」

 大阪市立西天満小(北区)の播本義男校長も「常識では考えられない事件。痛ましい」と沈痛な声だ。同小は改築工事中で通用門が使えず、正門を閉められないため、教師が交代で玄関や運動場を巡回、人の出入りを確かめている。

 だが、塀や植え込みを乗り越えることまでは防げない。避難訓練などで緊急時の児童の誘導などのマニュアルを強化はしているが、「防犯カメラや自動警報装置を置いたとしても、常にだれかが装置をチェックできるほど、人の余裕がない」。

 泉大津市立浜小では、八日午後、緊急職員会議を開き、地域に回覧板で、児童の登下校時に、あいさつを兼ねて玄関先に出てもらうよう協力を求めた。保護者にも教師のいる時間帯に登校させるよう、再度求めることにした。岸田勲英校長は、教頭と共に校内の巡回を強化するが、「侵入者がどこから入ってくるか、不安を考え出したらキリがない」と話した。



【解説】
安全と水は唯という神話が崩れて
学校もガードマンを置かなくてはならなくなった。
教会の扉も昔は常に開けていたが最近は施錠しているらしい。
今、施錠無しで、自由に入れるのは神社の境内ぐらいかも知れない。

世の中が変わったのか学校が変わったのか。
学校は最近結構危険な場所になりつつある。
私のPTA会長をした中学校などは、週に何回も
ヤンキ−スタイルの若者が学校の回りの道をバイクを乗りまわして騒音で授業ができない。
その都度警察に連絡するがパトカーが来たときは彼等は逃げてしまって
つかまらない。
どこの誰だと分かっていても現行犯でないと捕まえられない。
法律が甘過ぎる面もあるのではないか。

大分前になるが、チーマ−グループのリンチで高校生が殺された事件があった。
その犯人が、2〜3ヶ月で出てきて、殺された家の前をウロウロしていた。
それを見た殺された子どもの母親は刃物を持って家を飛び出したが
家人に止められて思いを遂げられなかった。
いつも家人に見張られて生活していたらしい。
その母親は2年後にとうとう胃潰瘍で憤死したという。

今回の事件の家族も同じ思いだろう。
心のケアを充分に行う必要がある。

インターネットで精神分裂病のページを見てみた。
精神分裂病の治療法が今後50年間に進歩するかどうかを大勢の医者にアンケートしているページがあった。
人ゲノムの研究が進んでも完全な治癒は困難だという答えが大部分であった。

このページを精神分裂病に悩む患者が見たら絶望に陥るだろうとそのとき思った。
精神分裂病患者は人口あたり1%から2%、そのうち若年層の大部分が自殺を選ぶそうである。(注1)
ハンセン氏(ライ)病が治る病気になったように、精神分裂病も研究費を投入すれば治る病気にならないか。
ガンやエイズ並に研究費を投入する必要がありそうだ。

犯罪の防止というと刑罰の強化に走りやすいが、その根本原因も考える必要もありそうだ。
犯罪は社会の病気と密接に関係しているのである。

(注1)取り扱っているクライアントの60%が自殺したという報告もあるが、全体の自殺率は13%程度であり。70%は薬物の継続使用により症状の安定化が出来、社会復帰もしている。しかし発症の原因も諸説あり、完全な治癒は困難であると言われている。今後の研究の促進が望まれる(H13.11.28))。
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