保育園がISO9000取得へ/茨城・総和町

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毎日教育メール No.271(H13.10.05)

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 【行政】町立保育所がISO9000取得へ 茨城・総和町
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 茨城県総和町は今月から、町立保育所2カ所に品質管理の国際規格「ISO900
0シリーズ」の認証を取得するための準備に入った。保育の質的向上などを目指した
取り組みで、県内では初めて。来年10月には取得したいという。

 同町立保育所で昨年、一部の幼児に対する保育士の保育方法をめぐって抗議した保
護者と保育所側がトラブルになった例があり、町は客観的な視点からの保育サービス
向上の必要性に目を向けた。9000シリーズは品質を住民サービスに置き換えて自
治体が認証を受ける例が広がっており、公立の保育施設としては東京都品川区が来年
3月の取得に向けた準備を進めている。

 町は保育作業を洗い直し、おむつの換え方や食事の与え方、基本的なしつけ方法を
マニュアル化することなどが質の向上につながり、認証機関が介在することで保育所
と保護者以外の第三者の視点で評価し、客観情報が提供できるようにしたいという。
当面は町職員が同シリーズ取得のための基本的な研修を受けて、導入の具体化への手
順を検討していく。


保育園も“品質チェック” ISO取得・評価基準文書化 東京・品川区が方針

2001.03.16 読売新聞 東京朝刊 27頁  


 乳幼児を預かる保育園のサービス内容を、職員や保護者以外の第三者の視点で評価しようとする動きが出てきた。園児に対する処遇方針を細かく規定したマニュアルを作り、それを基に実態を点検・公表していくことで、より質の高い保育サービスを目指すものだ。

 東京都品川区は四月から区内の保育園三十七園について、品質マネジメントの国際規格ISO9000シリーズの認証取得を目指すことを決めた。まず東五反田保育園をモデルに、おむつの換え方や食事の与え方、基本的なしつけや遊びの際、保育士の取るべき態度などを文書にまとめ、マニュアル化する。

 さらに、その実行状況も点検し、思わしくない場合は職員研修やクラス運営方法などを含めて改善方法を探る。年度末までにISO9000シリーズ(一九九四年度版)を取得。再来年度からはそのノウハウを区内の全園へと拡大する計画だ。

 品川区がISO取得に乗り出すのは「これまでの保育サービスは職人芸とみなされ、客観的に評価するシステムがなかった」(区保育課)反省による。

 九八年には改正児童福祉法が施行され、国が補助する公的保育は、措置制度から行政と利用者との契約制度に転換した。利用者に情報を提供することで施設間の競争を促し、保育サービスの質の向上を狙った改革だ。

 こうした流れの中で、厚生労働省や東京都は「第三者による保育園評価」に取り組み始めており、品川区の試みはその動きに沿うもの。厚生労働省は、ISOに照らすものでなく、保育サービスに限定した独自の評価基準を設けることを検討しているが、品川区は将来「顧客満足度」も加味した「ISO9000シリーズ二〇〇〇年度版」の認証を取得して、より質の高いサービスを目指していく。

 この問題に詳しいライフデザイン研究所の副主任研究員、前田正子さんは「乳幼児を預かる職員たちも、客観的な物差しができて初めて自分たちの改善点を発見できるはず。どの程度、わかりやすい指標になるか未知数だが、保育の世界に客観的な評価の風が入ること自体に意味がある」と話している。

 〈ISO(国際標準化機構)〉 モノやサービスの流通を促進するための国際機構。品質保証規格の9000シリーズ、環境保全のための14000シリーズなどを制定。法的強制力はないが、事実上の国際統一規格として、取得をめざす企業は多い。


ちょっと一言
ISO9000耳慣れない方もいらっしゃるかもしれない。
昔、会社の品質保証部門でISO認証取得に関わった経験から一言。
(学者ではないので、不正確、独断的な見解も含まれることお許しいただきたい)
ISOはネジの規格など世界中の規格を決めている国際機関である。
ISO9000シリーズは、ヨーロッパを中心に以前からあった品質管理、監査方法を、日本などの非関税障壁への対抗処置として、品質管理基準をクリアーしない企業の物品は輸入させないようにしようという動機が背景になって国際基準化された経緯を持つ。
国際基準化されるに伴い、日本企業が争って導入を決めた。
当初は、認証する機関がヨーロッパにしかなくて、ヨーロッパから認証機関の人員が出張して認定していたが、最近では日本でも認証資格をもつ法人が設立され、中小企業でも取得企業が増えている。
この品質基準は、日本のお役所が決めた基準などと違って、一度認証されても2年に一回の外部監査が通らないと認証が取り消しされる点にある。
そのため、内部監査を1年に1回義務付けられ、つねに内部から改善が図られる点にある。
もう一つの特徴は、幹部の意識監査があるところである。
通常日本の基準や認証は、担当役員おまかせで済むが、会社の代表者の役割を規定してあり、その役割が果たされているかが監査される。
実際に、監査員から経営者が管理方針など質問される。
また、会社の従業員の末端まで品質方針が徹底されているか監査される。
余談だが、先日の新宿の火災事故などで見られるように、防火管理が防火管理者に責任を持たせるだけで経営者に責任を持たせない体制では、実際に基準を作っても守れない事になってしまう。
日本の法律はそのように尻抜け法律になっているが、ヨーロッパの感覚では経営者により重い責任を持たせる考え方になっている。
これがヨーロッパの企業に導入されて品質が向上されると共にコスト削減にも非常に有効であることが分かって、非効率的な行政サービスへの導入が検討され、行政のサービス向上とスリム化に顕著な効果があった。
日本の行政も、最近のスリム化とサービスの向上の動きに合わせてISOシリーズの取得に動き出した。
行政もサービス業と捉えて、その品質の維持、向上を目指すことは既にヨーロッパ各国では当たり前のことになっている。
小泉首相も行政改革に取り組んでいるが、機構や組織をいくらいじっても管理手法が同じであれば、無能、無駄、不透明体質は変わらない。
ISO9000などの導入など管理手法の改革を伴わなければ、改革しても数年で元の木阿弥にならないとも限らない。
本題に戻して、保育園がISOを導入すると言う。
先に、自治体にISO導入があり、効果を確信した結果の保育園にもという動きであろうかと思う。
その背景では、今までは、保育園に預ける人が限定されたのが、最近の男女雇用機会均等法などに見られる女性の職場進出にともない保育園に預けることが極普通のことになり、行政サービスの主要な部分になりつつあることが考えられる。
恩恵的な与えられていた保育サービスが、一つのサービス業としてサービスの品質とコストが問われる時代になりつつある。
ISOの導入もその一つの動きである。
教育も、一つのサービス業であるとすれば、学校においても提供するサービスの質を確保する意味からも
今後ISOの導入が望ましいと考える人が多くなるのではないか。
文部科学省や日Pでも学校も行政サービスの一環と捕らえて品質向上とコストの削減、効率化のために
ISO導入など積極的に取り組んでもらいたいものである。
聖域なき改革の前で学校だけが閉鎖的な状態であり続けることは出来ないだろう。

(平成13年10月6日)


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