保険業法での立件断念/埼玉県P連保険手数料問題

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「県P連」保険問題 手数料の性格、判断できず 関東財務局が処分見送り=埼玉

2002.03.24 読売新聞社 東京朝刊 32頁 写有 (全1195字) 


 ◆保険業法の意義問う声も

 県PTA連合会(県P連)と傘下にあった旧県PTA教育研究所が、団体保険に加入させる見返りに、六千万円以上を「事務手数料」の名目で保険代理店から受け取っていた問題で、保険業法で禁じる「特別の利益供与」にあたるかどうかを調査していた関東財務局は二十三日までに、保険会社や保険代理店について、同法に基づく処分を見送った。“手数料”が事務代行の対価か利益供与かの判断が困難というのが理由だ。しかし、専門家からは、「保険業法が『ざる法』と見られるのではないか」という懸念の声も上がっている。(小野寺昭雄、龍野晋一郎)

 問題の制度は、児童・生徒を対象とする傷害保険などを総合的に扱う「小・中学校総合保障制度」。県P連と同研究所は、保険加入者一件につき五百円を「事務手数料」の名目で保険代理店から受け取り、一九九六年から六年間の総額は六千万円以上に上る。

 同制度を巡っては、県P連内部でも、事務手数料の使途が不透明などの批判が以前からあり、県P連は、会員に誤解を招いたとして、今年度いっぱいで同制度と同研究所を廃止することを決めた。

 一方、同局が問題視したのは、この事務手数料が、保険業法三〇〇条で、保険会社や代理店に対して禁じている被保険者への「特別の利益供与」に当たるかどうかだ。同局は「手数料が募集に伴う事務などの対価なら問題はないが、実体がなければ保険業法に抵触する」と、保険会社や代理店から報告を求める形で調査を行っていた。

 その結果、同局は〈1〉県P連側が全く事務をしていなかったわけではない〈2〉この事務が手数料の適正な対価だったかどうか判断することは困難――などとし、いわば“判断不能”という形で、代理店などを保険業法違反には問わないと結論づけた。

 県P連側が、保険代理店と九六年に結んだ「業務委託契約書」によれば、委託された事務は七項目。▽加入依頼書の受け取りと開封▽学校別、市町村別に依頼書を仕分け▽住所、氏名、振り仮名の記載漏れチェック▽記載漏れを代理店に連絡、照会▽加入者の問い合わせ受け付けと代理店への連絡、照会▽学校経由で送付する申込書を、希望で直接、個人宅に送付▽事故が学校の正課活動中だったかどうかの情報収集――。

 これら事務の対価として、二〇〇〇年度は千五百万円が県P連側に支払われた。昨年、同制度を県P連から引き継いだ同研究所の竹内克好理事長は、事務量について「事務は研究所にいる事務員一人で何とかなった」とし、「千五百万円が来ないと研究所はつぶれる」と、実質的には事務手数料を運営費に充てていたことを明かしていた。

 保険評論家の佐藤立志さんは「手数料は事務の対価というより、小・中学生を保険に加入させた見返りの意味合いが強い」と指摘、「こうした手数料を認めてしまうと保険業法がざる法と見られ、手数料名目の『割り戻し』がまかり通る恐れがある」と懸念している。


【ひとこと】
PTAの収益事業に波紋を投げかけた掛けたこの問題も、結局はPTA教育研究所の廃止という結果になった。
今はやりのホイッスルブロアーがあったかどうかは別として、新しい事業を立ち上げる場合のコンセンサスの作り方。
その運営、財政的な基盤をどのようにするかと言う事を考える契機になれば過を転じて福となすことにもなるのではないか。
PTA教育研究所も新しくNPO的な形で再建していただければと思う。


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