都知事発言で共同通信が誤報謝罪/愛媛の教科書採択で

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都知事発言で誤報  共同通信が記事訂正

2002.08.28 共同通信 (全425字) 


 共同通信社は二十八日、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版教科書を愛媛県教育委員会が採択したことに触れた石原慎太郎東京都知事の発言を配信した十六日の記事について、発言の趣旨を取り違えた誤報だったとし、石原知事に謝罪、記事の訂正とおわびを配信した。
 石原知事は十六日の定例会見で、愛媛県教委の扶桑社版採択について感想を聞かれ「愛媛は愛媛の選択をしたと思う。今までプロセスを正当に踏まず、密室的、一方的に決められた節がないでもない」などと述べた。
 知事発言はこれまでの教科書採択の経緯などについて触れた趣旨だったが、共同通信社は愛媛県教委の採択経過などを批判したと誤って解釈した記事を配信。加盟社七社が掲載した。
 共同通信社の坂下修編集局次長の話 知事発言の趣旨を取り違えた初歩的なミスで、弁解の余地はない。関係者にご迷惑を掛けたことは遺憾であり、おわびする。こうした事態が二度と起きないように記者教育や社内のチェック体制を徹底したい。


これだけでは分からないので他の新聞がどのように伝えているかを見てみた。

共同通信誤報、石原知事が批判「次は認可取り消す」

2002.08.31 産経新聞社 東京朝刊 25頁 第3社会 (全429字) 


 愛媛県教委の扶桑社歴史教科書採択に関連し、共同通信社によって石原慎太郎東京都知事が愛媛県教委を批判したとする誤報が配信された問題で、石原知事は三十日、定例会見で「私の姿勢が百八十度違う形で伝えられている。共同がどういう責任を取るか見もの。私の政治生命にかかわる」と批判、同社から謝罪を受けたことを明らかにした。

 共同通信は以前も石原知事の「三国人」発言を曲解して配信した。

 石原知事は「いずれにしても二度目。(社団法人である)共同通信の認可権は東京都にある。三度起こしたら、認可を取り消す。こういう誤りを二度、三度、わずかな在任中に繰り返し起こす通信社にメディアの資格はないと思う」と強い不快感を示した。共同の配信記事は、八月十六日の知事定例会見で、「(石原知事は)『愛媛は愛媛の選択をしたと思う』と断ったうえで、『プロセスを正当に踏まず密室的、一方的に決められた節がないでもない』と批判した」と記述した。

 二十八日になって、ようやく訂正記事が配信された。

 


【ひとこと】
埼玉県で行われた日本PTA全国研究大会の特別第2分科会の中でメデアリテラシーが論議された。
その中で、ヨーロッパではメデアリテラシーが普及していて、日本ほどメデアを信用していないと語っていたのが印象的であった。
この事例もメデアリテラシーの良い事例になると思う。
メデアというものは、あったことを其の侭伝えているように見えているが、実は伝えたいものを伝えているのだという事である。
石原都知事の過去の発言から見て、都知事が「作るくる会の教科書」に反対する訳がないのは常識であろう。
通信社ともあろうものが直ぐ分かる間違いを見逃してしまった。
どうなっているのだろう。
思い込みと、思い入れと、のめり込みが冷静さを失わせ誤報に繋がると言われている。
今回の事例で言えば、「作る会の教科書」について思い込みと、思い入れと、のめり込みがなかったか。
愛媛の教科書採択結果についての「批判」の記事が欲しくって探していたところに東京都知事の発言があり、都知事が愛媛を批判したと思い違いして、これ幸い載せてしまったということではなかったか。
共同通信としては、石原都知事でなくても、愛媛の教科書採択を批判する人ならば誰でも良かったのではないか。
この誤報がなかったら、別の批判する人を探し出して載せていたのではないかと思う。
我々は、メデアの記事を読んで判断するのであるが、記事はあくまでも記者や通信社のバイアスがかかっていることを前提に判断しなければならないことを今回の誤報事件が教えているのではないかと思う。
読み比べて見ることが大切である。

(平成14年9月1日 金山 武)


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