給食費滞納調査に異議申し立て/越谷市学校事務員

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越谷・給食費未納調査 事務職員、市情報保護審に申立書 /埼玉

2002.08.16 毎日新聞社 地方版/埼玉 19頁 (全514字) 


 ◇「同意が原則、条例違反」

 越谷市教委が学校給食費未納家庭の経済状況を当事者の同意なしに小中学校に調査させていた問題で、市内の学校事務職員が15日、市の情報公開・個人情報保護審議会に申立書を提出した。「個人情報の収集は本人同意が原則。今回の調査は条例違反に当たる」と指摘したうえで、審議会の見解を求めている。

 申立書を提出したのは同市花田の石山博さんと同市下間久里の竹内喜昭さん。石山さんは市立北中、竹内さんは桜井南小で事務職員を務め、市教委が求めた調査報告書の作成に携わった。

 申立書では「市教委は、条例の例外規定を根拠に正当性を主張しているが、この規定は何らかの理由で本人から情報を取れない場合や、本人に相当程度の不利益が生ずる場合を想定しており、今回の調査には当てはまらない」と指摘している。

 石山さんは「報告書の作成は担任に聞いて行った。しかし担任も未納家庭の経済状況を正確に把握しているわけではなく、推測を交えるしかなかった。その意味でもこうした調査は妥当ではないと思う」と話している。

 申立書を受け取った市情報公開室は市長の判断を仰ぎ、必要と判断されれば、27日に開かれる同審議会で諮問されることになる。【高木諭】 


ひと言
ちょっと旧聞になるが、この記事は毎日新聞のみが取り上げている。8月13日に第1報、8月16日(この記事)に第2報、8月23日には第3報でとりあえず終わりになっている。
事務職員による今流行の内部告発であるが、8月28日の記事では27日開いた市の「情報公開・個人情報保護審議会」は、申し立ての根拠となる「個人情報保護情報」には申し立て制度がないとして門前払いになった事が報じられている。
給食費滞納という謂わばブラック情報の収集に関する事務作業に関してその業務に携わる学校事務員が内部告発し、明るみに出たということである。
学校および学校事務職員がブラック情報の収集の業務上の義務があるかどうかはその性質上疑問が残る面もあるが、児童生徒の家庭環境について学校なり教師が知る必要が無いかというとそうでもない。
生活困窮の家庭の子供に対しては、子供の保護という面からそれなりの配慮が必要であろう。
たとえばいじめの対象になっていないかどうかなども気をつける必要もあるだろう。
教師労働者論にたって、学校が単なる知識の切り売りをしていれば良いという議論が最近多いが、社会が学校に期待しているのは、単なる知識の切り売りではなく、人格の形成を含めた全人教育であろう。
そのような面から教師には守秘義務を課してブラック情報の取り扱いも容認しているのではないだろうか。
給食費滞納については、行政委員会として給食センター運営委員会などを通じて委員であるPTA会長およびPTAの給食を担当する専門委員会の委員長にも委員会の席で資料が提出されその対策について論議される。
給食費については、給食の歴史的な経緯によって統一された基準はない。
戦前にも一部給食が行われていた学校もあるが、戦後の食糧難の時代にPATが味噌汁給食を行ったり、アメリカの食糧援助から子供たちに満足な食事をという面で急速に普及した。
そのため、地区や学校によって給食の形態は多様である。
センター方式でなく学校ごとに給食の設備を置きPTAが給食のおばさんを雇用して運営しているところもある。
また、PTAが家庭訪問して集金しているところもある。
給食費滞納については、関係者にとっては重大な問題である。
PTA集金から、銀行振り込みにする際に問題になるのが滞納率が高くなるということである。
滞納されたものを誰が回収するか。
センター側はPTAにやってもらいたいという。
そんなもろもろのわずらわしさもあって、給食そのものを止めてしまったところもある。
(それだけの理由ではないが、政令指定都市のある市では中学校の求職は行っていない)
センターの所長が一軒一軒、家庭訪問して集金して回っているところもある。
居留守を使われたり、転居されたり大変らしい。
生活保護の場合も天引きといかなくて集金は困難を極めるのが実情である。
昔は、皆貧しかったので、先生がそっと払って置くなどということもあったらしいが
最近は、豊かになった代わりに皆けちになって給食費を払ってくれる先生は皆無に近い。
そのような中にあって、越谷市が学校に調査の協力を求めるのも理解できなくもない。
マクロ的に滞納の理由を把握する事は必要な事ではないだろうか。
事務職員の行動には、業務拒否という面で問題がないのだろうか。
ところで、個人情報というとブラック情報だけが問題視されるが
全国銀行協会とクレジット会社がホワイト情報を集めているのをご存知だろうか。
銀行やクレジット会社から融資を受けると、問題なく返済しても完済後5年間もデータベースに登録されて会員の銀行やクレジット会社の照会で個人情報が子解されている。
返済後のホワイト情報に利用価値があるとは普通では思えないが、コストにうるさい銀行が集まって費用を負担して運用しているところを見ると
我々には伺いしれない利用価値があるらしい。
給食費の問題も問題であるが、こちらも問題ではないだろうか。
PTAも子供の福祉を考えるのであるならば、給食費滞納についても取り組んでも良いのではないだろうか。
バザーの使途も学校の設備購入などの本来行政が負担すべきものに使うのではなくて
会員の相互扶助に集めた金を使ったほうが良いのではないだろうか。
親としては、給食費を払えないほどつらいことはない。
PTAもこの辺で、子供の福祉の実際活動に取り組むべきではないだろうか。
昔は、プライバシーやなんやらはうるさくなくて、醤油や米の貸し借りが当たり前であった。
不況の今、プライバシーを問題提起することも必要だとは思えなくもないが
実際的な助け合いの精神の復興が必要ではないだろうか。

(平成14年9月14日 金山 武)


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