なぞ深まる/拉致事件

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悲報「信じられない」 拉致8人死亡 25年 再会果たせず

 横田さんの父 帰らぬ娘…号泣 両親は耐えに耐えてきた。あまりにむごい

2002.09.18 西日本新聞社 朝刊 31頁 0版31面1段 (全2269字) 


 取れた「疑惑」の二文字。十七日行われた日本と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の首脳会談で、日本人拉致に対する北朝鮮側の関与が明らかになった。生存四人死亡八人。「遠慮せずに喜んで」「生存が分かっても、うれしさはない」と、明暗が分かれた拉致事件被害者の家族たちは互いを気遣った。「おわび」「痛恨の極み」。両国首脳の言葉の背後に、家族たちが見て取った国益優先の現実。ミサイル発射実験の無期限凍結、そして国交正常化交渉の再開合意…。両国が「敵対から協調」へと向かう時代の曲がり角で、家族らは「信じられない」「納得していない」と、残酷な結末に立ちすくんだ。

 「行ってきます」と普段どおりに中学校に向かった娘。英国に留学中の娘は「仕事が見つかった」との手紙を最後に消息が分からなくなった。

 苦悩しながら救出活動に没頭した両親は願いむなしく、二度とわが子に会うこともなく最悪の日を迎えた。一九七七年に新潟市で行方不明になった横田めぐみさん=当時(13)=と八三年に消息を絶った有本恵子さん=当時(23)。十七日の日朝首脳会談で死亡が伝えられた。

 いつも冷静。被害者家族のまとめ役だっためぐみさんの父滋さん(69)があたり構わず号泣した。母早紀江さん(66)は、記者会見で有本さんの母嘉代子さん(76)の肩をしっかり抱きながら悲しみに耐えていた。

 早紀江さんは九七年に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の元工作員から拉致直後のめぐみさんの様子を聞いた。涙よりも恐怖で吐き気をもよおした。

 元工作員の話によると、めぐみさんは真っ暗な船の中で「お父さん、お母さん助けて」と泣き叫び、つめで船倉の壁をかきむしっていた。北朝鮮に着いたとき、指は血だらけだったという。

 「救出を求めて声を上げたら娘が殺されるのではないか」。滋さんと早紀江さんは不安にさいなまれた。しかし「このまま何もせず過ごしていてはめぐみに再会できないまま死んでしまう」と考え、名前を公表し社会に訴える決意をした。

 全国を回る署名活動、首相官邸や外務省への要請…。いつも被害者家族の中心に二人の姿があった。悲しい結果にも「わたしたちが一生懸命闘ってきたことが拉致という大きな問題を暴露した。めぐみは犠牲になり、使命を果たした」と早紀江さん。「めぐみちゃんのことを愛してくださって、気にかけてくださった皆さまに心から感謝します」と悲しみを振り切るように一気に話した。

 めぐみさんは両親に会えないまま北朝鮮で成人。平壌に娘一人を残して亡くなったという。生きていれば、三十七歳になっていた。

 一方、有本恵子さんは早くから生存が期待されていた。北朝鮮が「よど号グループの犯行」と言い逃れできるため、帰国させるのではないかとの観測も根強かった。

 この朝、嘉代子さんは「長い一日になると思う。いい返事を待ちたい」と朗報を期待していた。午前中には有本さんの安否が伝えられるとの情報も流れた。それでも父明弘さん(74)と嘉代子さんは「うちの娘だけでは駄目。首相は全員を連れて帰ってきてほしい」「たとえ生きていても一人で帰ってくる娘ではありません」とほかの家族を気遣うように言い続けていた。

 それが夕方には暗転。嘉代子さんは「こういう結果になるとは本当に夢にも思わなかった。涙も出ない」と声を落とした。

 日本政府が有本さんを拉致被害者と認定したのはことし三月になってからだった。よど号メンバーの元妻、八尾恵・元スナック経営者(46)が連れ去りを告白した。

 嘉代子さんは記者会見で「長い闘いでした。どういう死に方をしたのか。それだけは聞きたい」と気丈に話した。

    ×      ×

 ●九州の4家族 「もうそっとして」

 拉致事件被害者のうち、九州関係の四人は全員が「死亡」と伝えられ、家族たちに、怒りと悲しみが交錯した。

 鹿児島県・吹上浜で拉致された市川修一さん=当時(23)=と増元るみ子さん=同(24)=の家族らは十七日、東京の議員会館で記者会見に臨んだ。「頭の中が真っ白になった。故郷にいる両親に、どう伝えたらいいか…」と市川さんの兄、健一さん(57)=同県輝北町。

 増元さんの弟、照明さん(46)=東京都中央区=は「(事実の)隠滅のため殺された疑いもある。首相は一度帰国して国民の声を聴いてから、国交正常化交渉の再開を判断すべきではなかったか」と憤り、姉の平野フミ子さん(52)=熊本県八代市=は「鹿児島でテレビで見てるとうちゃん、かあちゃん。気を確かに持って…」とハンカチで目を覆った。

 鹿児島県輝北町の市川さんの自宅では、母トミさん(86)が「いつ修一が帰ってきても困らないように」と陰干しを続けてきた背広のすそを握りしめたまま言葉が出ない。姉の渡辺孝子さん(53)は「あまりにむごい。両親は二十四年間耐えに耐えてきた。最後は幸せな形で終わってほしかった」と涙をぬぐった。

 「万が一の希望が断たれた。異国の地に一人眠る弟の遺骨を引き取り、父母の墓に納めてやりたい」。宮崎市で拉致された原敕晁(ただあき)さん=当時(43)=の兄、耕一さん(76)は長崎市の自宅でそう語り「(拉致は)国家の主権侵害だ。怒りは一生消えない」と強調した。

 スペインで消息を絶ち北朝鮮在住と伝えられていた熊本市出身の松木薫さん=当時(26)=は「北朝鮮で生存している」との情報も流れた。熊本県牛深市の親族男性(77)は「遺骨も戻ってこないのではないか。親族にもそれぞれの生活、家庭がある。もうそっとしておいてほしい」と話した。


一言
 当時中学生だった「横田めぐみ」さんについては本欄も関心をもって「救う会」のリンクなどを掲載し、幾ばくかでもお役にたとうとして来た所であるが、今回悲報に接し残念でしかたがない。読者の皆様と悲しみと怒りを同じくする次第です。
 記事の中身は西日本新聞の記事であるが、内容は共同通信の配信をベースに西日本新聞が取材した内容も入っているようである。
 この記事をなぜ引用したかというと、あの日(9月17日)小泉首相があの悪の枢軸といわれる連中の巣におずおずと行った日、夕方テレビを見ていたら、家族の記者会見の様子を実況中継していた。
いろんなチャンネルを回して見ていたが。
 いつも冷静な「テレビ朝日」の女性キャスターがたまらず涙声になって放送を続けていたのが非常に印象に残った。
テレビ朝日の放送の中で日本政府に拉致事件の確たる証拠をもたらしたと言われている「八尾恵」さんへのインタビューがあった。
八尾さんは、インタビューの中で「拉致された人たちの内、報道では死亡と伝えられているが死亡ではなくて殺害されたとのだと思う」と語っていた。
この辺を新聞はどのように伝えているのかを知るために、この一週間の記事を調べてみた。
地方紙を含めて「八尾恵」で検索すると中央紙、地方紙あわせて18本の記事が見つかった。どういうわけか朝日新聞、毎日新聞は出てこなかった。
 記事の中で、八尾さんの発言を伝えている新聞はなかった。
私も、もし死んでいるとしたら、拉致家族の方には誠に言いにくいが悪党どもに殺されたとしか考えられない。
そのそも、北朝鮮と称する国は、共産主義者がソ連や中国の支援を受けて銃口によって無理やり作られた国である。
いわば、朝鮮半島の北半分に住む人達を無理やり拉致して、乗っ取ったも同じである。
今でも国名ではなく北朝鮮と地域名で呼ばているが、その発生が正常でないからである。
北朝鮮共産党に反対する人々はすべて殺されるか牢獄に入れられ、生き残った人たちは労働矯正所という強制収容所の中で思想の変更を強いられたのである。中には洗脳というマインドコントロールが行われた事は共産国の常として広く知られたことである。
もともと、その成立からして正常な国ではないのである。
かの国が貧しいのは、統一という名目で朝鮮戦争をしかけ、国連によって侵略戦争の認定を受けて自由主義国との付き合いが出来なくなったのが原因で、彼らが言うように日本の植民地支配によるものではないのである。
日本は、先の戦争で朝鮮に戦争を仕掛けた事はないのである。
平和裏に条約によって併合したのである。
アラスカがアメリカの州になったように、朝鮮と日本は国際法に基づいて条約により併合してあげたのである。
日本の先のころから、共産主義の脅威があり、共産主義から朝鮮を守るのがその目的であった。
先の戦争の戦争目的は欧米の植民地主義にたいする戦いと、もう一つは共産主義への戦いであった。
朝鮮および中国を共産主義から守るというのが当時一般的に受け入れられる大義名分であったのである。
今日考えても、ソ連、中国、北朝鮮の人民の塗炭の苦しみを考えれば、共産主義との戦いは十分意味を持つのではないだろうか。
 先日報道された、ある新聞社の試算によれば、先の戦争における損害賠償という面から言えば、朝鮮に対し与えた損害よりも、日本が朝鮮に残してきた資産の方が多いという結果が出ているようである。
計算の仕方で差は出るであろうが北朝鮮の要求する数字には殆ど根拠がないと見るのが大方の見方であろう。
日本が植民地支配で迷惑をかけたことよりも、日本が朝鮮に与えた近代教育を始めとする恩恵のほうが多いと言う人も最近韓国で出てきた。
 その当時から朝鮮では、現在の北朝鮮のように貧しく、大半が日本への出稼ぎで暮らしていたようである。
日本の植民地になったから貧しくなったのではなくその前から貧しかったのである。
現在日本にいる朝鮮の人たちの先祖の大半は、強制連行で連れられてきたのではなく朝鮮併合前から日本に出稼ぎに来ていた人たちなのである。
確か、何年か前に朝鮮の人の年金訴訟というのがあった。
そのとき私は、朝鮮の人たちは強制的に連れてこられて強制労働させられたといいう説を信じていたが、戦時中、正常に賃金を貰い、日本の国民年金に入っていた人もいたんだということが分かった。
結構、朝鮮人も日本国民として法の下の平等があったのかと思った事がある。
小泉さんが今回北朝鮮にのこのこ出かけて行ったのであるが、今「正常化」する必要性はどこにあるのだろうか。
北朝鮮は何もしなければ、自ら瓦解するのは目に見えている。
だまって見ていれば、ここ数年のうちには崩壊するであろうと言われていた。
国際的には、アジアの安定を図る必要はあるだろうが、その第一の責務は中国にある。
朝鮮戦争までさせて、事実上支配してきたのだから、中国が先ず北朝鮮の面倒を見る必要があるのではないだろうか。
今回、小泉総理の北朝鮮訪問について国際的に評価する声が高いが、その理由は、北朝鮮の破綻状態を日本が金を出して救ってやることに踏み出した事にあるのではないだろうか。
世界にとってこんな良いことはない。
自分達が金を出さなくても良いからである。
特に中国とっては、北朝鮮は重荷になって来た。
ここで、日本が金を出して救って上げるメリットは何かあるのだろうか。
小泉経済無策内閣の延命ぐらいしかないのではないだろうか。
いずれ、北朝鮮の政権は崩壊し、難民は中国やソ連、韓国になだれ込む。
そのとき中国やソ連や韓国は日本に泣きついてくるだろう。
いま、手をさしのべても当たり前ぐらいにしか受け取られないのではないだろうか。
中国が同じ共産国として北朝鮮を援助するのは分かるが散々日本を非難しておいて日本に援助してもらうというのはちょっと虫が良すぎないか。
小泉さんが「良い格好しい」で行くのは良いけれども、経済援助の金は国民の血税である。
日本の景気が悪いので、経済協力でお金を出して、その仕事で日本の企業が受注して一部の企業が潤うということを目論んでいるとも考えられる。
あわよくば経済の活性化もと考えているのではないだろうか。
一部の企業では、もう援助を当て込んだ動きが出ているといわれている。
しかし、ドイツのときと違ってその金が日本の経済全体の回復に役立つのであろうか。
財政赤字の中で経済援助が、まるまる財政赤字となって残らない保証はない。
保証といえば、新聞報道によれば、拉致について金正日が謝罪したと言っているが、それを言っているのは日本側だけで、北朝鮮の報道機関は一言も報道していない。
共同宣言にも拉致という文言が見当たらない。
会見の場という密室のなかでの発言は意味をなさない。
外交交渉成果については、国内向けに都合の良い解釈をつけて説明するのが政治の常である。
小泉さんは一人勝ちのように言っているが、本当にそうなのかは分からない。
勝手になにを言っても相手国は反論しない。
なぜならば、共同宣言なり、合意書に入っていない限り、国際的には意味をなさないからである。
もう一つ、今回交渉をするに当たっての日本側の情報不足ということが上げられている。
日本人が拉致されても国交がないからどうにも出来ないと政府は言い続けてきた。
しかし、普通の国であれば、国交があろうがなかろうが必要であれば必要な処置を取っている。
特に、国交のない国であればあるほど、情報を得る努力をしている。
現に北朝鮮はスパイを日本や韓国そして世界中にばらまいでいるではないか。
外務省の機密費というものはそもそも、情報提供者に対する報奨金として使うのが目的であった。
それを自分達の飲み食いに使って知らん顔をしていたのである。
外務省の前佐藤勝主任分析官などは自腹を切って情報収集を行ってきたという証言もある。
彼のような人物を牢獄に繋いでおいて、能天気な宴会係りにしか能がないような者ばかり重用している日本の国とはなんなんだろう。
もし、日本がアメリカの一州であったならばどうだったろう。
軍隊を出して即刻金正日を逮捕しているであろう。
アメリカは、ノイリガ将軍を麻薬取引の罪でその国に乗り込んで逮捕して投獄しているではないか。
日曜日のテレビで埼玉あたりの女性の大学教授が「となりの国と早く仲良くしなければならない」と言っていたが、あほな論である。
我々は友人を吟味して選ばなければならない。
先日、栃木県で隣の家の男に奥さんを殺されるという事件があったが、とても隣と仲良くといっても受け入れられるものではないだろう。
仲良くしろといわれても決して受け入れられるものではないだろう。
北朝鮮のように、こちらが何もしないのに勝手に戦争状態だと言い出して、日本の人民を拉致するような集団とは仲良く出来るだろうか。
今回の拉致事件の始末をつけてからであろう。
経済援助など止めて、その金で金正日の首に懸賞金を付けた方が良いという人がいるが、それは暴論として、テレビに出る人はもう少し物事をよく考えて発言してもらいたいものである。
国民感情というというと、テレビや新聞で、北朝鮮と言った後で彼らの自称の何とか人民民主主義なんとかと言い直すのもやめにしたらどうかという意見もある。
多分、無意識なのだろうがテレビに出ている人は殆ど北朝鮮と言っていて何とか国とかは言っていないようである。
いづれにしても、よど号事件のときに「人の命は地球より重い」と言った政治家がいたが、北朝鮮に誘拐および殺害の罪の重さを知らせるべきであろう。
そのためには事実関係を明らかにする事である。今のままでは謎が多すぎる。
最新の報道では横田めぐみさんが死亡日したと発表された日付よりも後に目撃したという北朝鮮軍亡命者の話も報道されている。
日本の外務省も宴会ばかりやっていないで機密費を情報収集に使ってもらものである。
そうすれば、「謎」もいくらか解消するのでないだろうか。
その謎が解消するまでは一粒の米も一円の金も与えてはいけない。
無法者にはそれなりの対価を払わせる必要があるのではないだろうか。
それが教育というものであろう。
拉致されて、異国の地で横死された方々のご冥福と生存者のご健勝をお祈り申し上げます。

平成13年秋彼岸中日 金山 武


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