密告報奨制度導入 警察庁 10月から

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未発覚犯罪、情報に「報酬」 民間が窓口/匿名受け付け  産経新聞 (2007/09/07 08:12)



 警察庁は来月1日から、人身売買や児童虐待、買春など被害者が通報しにくく、水面下でなされる犯罪についての情報提供を民間団体で匿名でも受け付け、事件解決に結び付いた場合に10万円を上限に情報料を支払う制度を試行的に開始する。通報受け付け業務は防犯活動のNPO法人「日本ガーディアン・エンジェルス」に委託された。被害当事者でない関係者の110番通報への抵抗感を考慮し、情報料を設定し、民間機関を窓口に匿名でも可能にすることで、未発覚の犯罪あぶり出しを促したい考えだ。

 警察庁は、殺人など未解決の重要事件の解決に結び付く情報に、公費から懸賞金(最高300万円)を支払う制度を5月から始めているが、未発覚の犯罪情報に情報料を支払う制度は初めて。

 児童買春、虐待など子供が被害者となる犯罪や人身売買では、現場周辺の住人や関係者が「何かおかしい」などと発覚の端緒になる情報を持つ場合が少なくない。だが、110番通報では通報者自身が身元を問われ、心理的な負担でこうした関係者が情報提供をためらうケースが目立つといわれる。新制度は「情報料」「民間」「匿名可」で通報者の心理的負担を取り除こうというものだ。

 構想によると、通報を受けたガーディアン・エンジェルスは情報を警察庁に伝達。同庁で情報の真偽などを分析、都道府県警に通知、捜査する。

 通報者が匿名の場合、ガーディアン・エンジェルスはあらかじめ通報者との間でIDやパスワードを定めて通報者を識別。情報料を支払う際も匿名者には事務所に出向いてもらい、受領証明などにも固有名を記載しない。情報料は、(1)被害者の身柄保護(2)犯人の検挙−など段階的に支払う案が検討されている。

 犯罪情報を電話で正確につかむには独特の“カン”が必要なため、警察庁ではガーディアン・エンジェルスの関係職員に実務訓練などを継続的に実施する方針。英国や米国、オーストラリアではボランティア団体が未発覚犯罪情報を匿名で受け付け捜査に生かす「クライムストッパーズ」と呼ばれる制度があり、警察庁はこれを参考にした。

 試行開始にあたり警察庁は、この制度で収集したい犯罪の種類に、被害者が弱い立場で表面化しにくい児童買春や人身売買、児童虐待などを想定。1年半試行し、効果が確認されれば、他の罪種に広げることも検討したい考えだ。

 警察庁によると、今年上半期(1〜6月)に全国の警察本部が摘発した児童買春事件の被害者は651人。児童虐待事件は昨年同期比で24・2%増の149件に上る。


「情報買う」警察 実効は未知数

 未解決事件の情報への公費懸賞金の支出に加え、新たに未発覚犯罪に関する情報にも情報料を支払う制度を警察庁が試行的に開始することは、日本の警察が「情報を金で買う」方向に舵(かじ)を大きく切ったことを意味する。

 背景には、犯罪の組織化、大規模化に、警察の情報収集が追いついていない現状がある。都市の人間関係はいっそう希薄化し、犯罪目撃者、関係者の捜査協力が求めにくくなっている。暴力団捜査力も低下し、社会不安をあおる銃器犯罪の封じ込めは思うように進まない。新制度には、現状への警察庁のいらだちが投影されているようだ。

 新制度の最大のポイントは通報を「民間」が「匿名」で受け付ける点だ。「かかわり合いたくない」「110番すれば身元を詮索(せんさく)される」という心理や、警察への“敷居の高さ”をこれらで解消しようという試みはかつて例がない。

 課題は通報を受ける民間側の技量。110番を受理する警察の通信指令職員は相当の訓練を受けて犯罪性や緊急性をかぎ分けるが、こうした能力は一朝一夕で得られるものではない。警察庁は訓練制度を取り入れ、技量を上げるとしているが、ここがうまくいかなければ、制度そのものが空洞化する恐れがある。

 警察庁は銃情報についても来年4月以降、情報提供者に情報料を支払う方針で、警察が情報を買う流れは加速しそうだ。懸賞金制度は関心を呼び、以前に比べ、寄せられる情報数は大きく伸びたという。ただ、実際に解決に結びついたケースはなく、情報を買う政策の実効性はまだ未知数としか言えない。(加藤達也)




【用語解説】日本ガーディアン・エンジェルス

 犯罪多発地域だったニューヨークのサウスブロンクス地区で、地下鉄や地域の見回り活動を展開、治安改善に実績を残したガーディアン・エンジェルスの日本組織として平成8年に東京に創設。その後、NPO法人となり、札幌など23支部に約500人が所属。繁華街のパトロール、青少年の非行防止、応急救護などに取り組んでいる。
 


一言
マスコミが朝青龍騒動で馬鹿騒ぎをしているあいだに、着々と進んでいた警察による密告報奨制度と思われる内容の報道が産経新聞1社のみで行われた。
人身売買や児童虐待、買春など被害者が通報しにくく、水面下でなされる犯罪についての情報提供とあるが、本当に情報提供がないのであろうか。
児童虐待で通報されたにもかかわらず、対応が後手になったとの報道がなされている。
買春なども、ホームページのその筋のサイトには、援助交際についての書き込みが溢れている。
情報提供を待つまでも無く買い込みをモニターすればたやすく情報を取得できる。
人身売買についても、民間の情報を待つまでも無く、不法残留の外人を調べれば済むこと。
市民感覚から言えば、情報が無いから、警察が動けないのではなく。
情報があっても警察が動かないという印象が強い。
例えば、宇都宮での隣人射殺事件にしても、被害者が再三警察にトラブルの解決を持ち込んでも、取り合ってもらえない。
裁判で、警察の過失を認定されても反省するどころか控訴して警察の非を認めようとしない。
 このニュースで思い出すのは、情報提供の報奨金が警察の裏金つくりに利用され、飲み食いいに利用された事である。
今回の内容を見ると、匿名の民間人に報奨金を支払うことになっている。
匿名ということは、どこの誰に払ったか特定できないということである。
領収書のいらない支出はとかく裏金になりやすい。

もう一つの心配は、仮に民間団体による情報提供が特定の犯罪に有効だとしても
将来、犯罪の範囲が拡大されて、市民を密告によって管理する方向に使われないかということである。

もう一つは、民間団体が警察の天下り団体にならないかということである。
現行犯逮捕を指導するとななると、指定された民間団体は準警察組織になりそうである。

先日、正月の出初式で見た、交通指導員という民間団体があるが、その訓練は、警察官により行われており
軍隊式の号令で行われている。

もう一つ考えられるのは、スパイの隠れ蓑にならないかということである。
警察官が本当の身分を隠して、指定民間団体の幹部になり、警察が立ち入りにくい
大学などに立ち入って情報収集したりすることに使われないか。

各地に青少年育成団体があるが、現在でも盛り場などのパトロールなどを実施している。
これらが、指定団体になり、単なるパトロールだけでなく自警団的な活動になっていかなかないか。

一寸考えただけもも色々問題がありそうである。

(平成19年9月9日 金山 武)


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