これで良いのか自動車保険
1、はじめに、
平成9年7月23日に交通事故にあいました。事故は、私と次女が出勤途上の長女の運転する軽自動車に乗って、PTAの行事に参加するために待ち合わせ場所まで乗せていってもらう途中で発生しました。現場は、田舎道(農道)で日に10台も通らない交通量の少ない交差点で、原因は、長女が一時停止標識の見落としことにあります。右方から走って来た普通乗用車の側面に激突してしまいました。さいわい、当方も、相手方も打撲程度で済みました。シートベルトのおかげです。良かったのは後席のに乗っていた次女がシートベルト(3点式)をしていたことです。
交通事故にあってみて自動車保険についての問題点がいくつか体験しました。素人の思い違いもあるかと思います。ご意見をお待ちします。

2、代理店による対応の違い
今回の事故で、最初に連絡したのはN火災のF代理店(F氏の個人代理店)であった。事故の状況を話していくうちに、どうも話しが食い違ってきた。N火災は、私の車の保険会社で、事故を起こした私の長女の車の保険はT海上で娘の会社(の関連会社=NP)が代理店になっている事が分かった。F氏への話しを打ち切り、娘からNPに連絡させた。
NP社の担当者は席をはずしており後から連絡するとのことであった。その後電話が掛かってきて色々事故の様子を聞かれた。またT海上からも電話が掛かって来た。
夜、N損保のF氏が訪ねてきて、保険請求の概略を説明してくれた。(自分の担当でないのにと家族一同感激したことは言うまでもない)。その後、T社からは保険請求の用紙が郵便で送られてきたが、とても素人が書けるしろものではない。T社から、車検証をFAXで送れとか色々言ってきて、T社の人が我が家に来たのは一週間後の昨日(29日)であった。それも調査員と言うことで、請求の仕方とかについては余り詳しく無い様子であった。
片方は、その日のうちに来てくれるのに対して、もう一方は電話だけ。この差はどこからくるのだろうか。
今殆どの会社が、保険の代理店をやっていて、社員は半強制的に加入させられているのが現状ではないだろうか。加入するときは会社の保険と言うことで一般の保険会社に入るより面倒見がよいような気がして入る訳だが、いざ事故を起こして請求する段になると。
 事務を取り扱っている人間が会社の総務や人事の人間だったりして(知識も殆どないので)強いことも言ないのが現状ではないか。また、それが保険会社の利益になっているのではないだろうか。
会社が保険会社の代理店になるのは、手数料が欲しい訳ではないはずで、従業員の福利厚生というか、事故という事態に対して、従業員の負担を軽減し、早期の職場復帰と業務に専念出来る体制をどうするかという危機管理体制の一環として捉えるべきではないだろうか。その面い於いて、会社の厚生部門は保険料の割引率だけでなく(本当は割引を目的とした代理店経営は法律で禁止されているはずだが)。事故処理体制とかサービス面についてもう一度見直す必要があるのではないか。F氏のような信頼出来る個人代理店の活用も視野に入れる必要があると思われる。

3、保険会社は半分しか払っていない
自動車保険に対物保険と言うのがあり、大体500万円ぐらい入っているものがあるが、
相手に物的損害を与えた場合に支払う保険である。素人考えだと壊した分の全額を払ってくれるものと思うが、それが全然違うのである。過失割合と言うのがあるのである。
自動車事故の場合どちらかが100%悪いと言うことはありえない。例えば、過失の割合が相手が10%でこちらが90%あり、相手の損害が100万円でこちらの損害が50万円だとして計算すると、相手には100万円×90%=90万円を支払い、こちらは50万円×10%=5万円もらえるということになる。一見合理的に見えるが、支払われなかった10万円+45万円=55万円はどこに行ってしまったのだろう。保険会社が得をしたことにならないか。
事故を起こした時に100%貰うためには車両保険に入りなさいと保険会社はいうが、この車両保険がまたおかしな払い方をするのである。相手の人が車両保険に入っていたとして90万円+100万円=190万円はもらえない。車両保険からは10万円で90万円+10万円=100万円しかもらえない。結局ここでも保険会社は90万円儲かることになるのである。
対物なり、車両保険の保険料を決定するのに上記に書いた「支払われない分」は加味されて決定されているのであろうか。一度大蔵省に聞いて見たいと思う。

4、代車代を出さない
今回の事故で相手方の人が保険会社に代車の提供を要求したら、過失割合が100−0でないので提供出来ないと断られた。
そのことで、大分憤激して、保険会社に強硬に申し入れをしたら。保険会社は、保険リサーチを入れると回答したらしい。過失割合が0でなければ提供しない理由がわからない。
 ここでも支払うべきものを免れようとする保険会社の姿勢が見える。
(それで、私宅に1週間後に保険会社の人がきたのか?と思った。後で名刺を見たら(株)損害保険リサーチとあるので保険会社の子会社(私の勘だが、多分第3者機関と言うのだろうが実態は複数の保険会社が出資した子会社に過ぎないのではないだろうか)保険リサーチがどのようなものであるか分からないが、警察の調査と重複する調査は無駄ではないか。保険者に払わない理由づけには金を出すが(それも身内(関連会社)に資金を無駄に回しているのではないかと思われる。)払うことには熱心ではない体質が見え隠れする。
現代社会に於いては自動車がなくては仕事が出来ない。サラリーマンにとっては出勤しないことには飯が食えない。そのような意味では、損害の中に通勤の代替え手段の代車代を含めるのは当然ではないか。結局自動車を買うことを条件に自動車販売会社から代車を回して貰うことになる。それが自動車の販売経費を押し上げていないか。保険会社が渋ったために一般消費者が結局迷惑を被っているのである。

5、保険はギャンブルか
保険は加入者から見れば相互扶助であるが、保険会社からみれば一種のギャンブルである。宇宙に飛び出すロケットの打ち上げに保険を掛けるか掛けないかが問題になったが、事故が起きなければ保険会社の儲け、事故がおきれば保険会社の損、正にギャンブルである。(普通のギャンブルと違うのは保険会社には再保険と言う制度があって危険を分散していて絶対保険会社が損をしないようになっているギャンブルである)ギャンブルは親が得するように出来ているのは真理である。
この損をしない方式が保険会社を尊大にさせている。絶対優位に立っている保険会社と何も手段を持たない保険加入者、そこから問題が出てくるような気がする。
理屈は一応通っているのだが、保険会社に有利な理屈ばかり並べる。弁護士も、裁判所も最終的には保険会社に屈するほかは無い。保険会社の競争はあるようにみえるが実際には再保険に見るように保険業界は一体である。天敵となるものはなにもない。殆どの会社は保険会社から融資を受けており、銀行よりも強大な力を持っている。常勝のギャンブラーと言ったら言い過ぎであろうか。
彼等の理屈には何か釈然としないものが残るのである。過失をカバーするために保険に入るのである。過失があったと言って払われないのでは何の為の保険だか分からない。損害を全部カバーしないのは商品としては欠陥があるのではないだろうか。PL法の考え方によれば商品に欠陥があるのは、製造者側の責任が問われることになるのではないだろうか。
保険会社は、余りにも、自分に都合の良い理屈を並べているような気がする。

6、任意保険のままで良いのか
任意保険と言う制度もおかしな制度である。相手の支払能力によって、入る保険の額が異なり。結局ぶつかった相手で補償が決まってしまうことになる。また、保険会社の力関係で補償額が決まることにもなっている。
このことが無用な混乱を招いていないか。せっかく保険制度というものを作ったのだからもう少し知恵を出して考えてみる必要があるのではないか。

7、自動車保険で儲けるなんて
保険会社の言い分として、「すべては被保険者の利益の為に支払い額を押さえている」と言いたいのは分かる。支払い額が、保険料率へ反映することは分かっているが、保険加入者としては、払うべきのもは払って貰うために保険に加入しているのである。
過度にケチって貰いたくないのが大多数なのではないか。
保険会社は加入者の料金で成り立っている以上社会常識にたった対応を取るべきではないか。
保険会社の利益は他の業種に比べてどうか、資産の増加はどうか。他の業種に比べて社員の給料も高いし、資産の増加も著しいことは誰の目にも明らかであろう。
それは、合理化努力なのだろうか。保険会社が人員整理した話は聞いたことも無いし、儲かる原因はもっと別なところに有りそうである。増加の元は何なのか考えて見る必要がある。政治家の資産の増加を調べるよりも実際的ではないか。
保険会社は私企業であるが、本来は保険契約者が社員(出資者)となって相互扶助を目的に設立されたのではなかったのか。資産増加分は本来の出資者である保険加入者に還元されるべきものではないだろうか。
保険料金を決めるときに、損害率を適正に見積もっているのだろうか、過度に見積もっていないだろうか、本来払うべきものを払っているのだろうか、本来提供するべきサービス(保険の説明など)を提供しているのだろうか。
自動車がこれほど大衆化した段階では、一般の損害保険と自動車保険とは区別して考える必要があるのではないか。自動車保険部門の利益に高率の税金をかけるとか、電力会社が利益を電気料金の値下げで還元しているように、利益分で翌年の保険料を安くするとか。自動車保険での利益を吐き出させる社会的仕組みを考える必要があるのではないだろうか。
車の安全装置で個々に料金を安くするなど益々料金体系が複雑化して、素人にはその料金が適正であるかどうか益々分からなくなってきている。個々に差を付けるのではなく大きく資金をプールして余ったら返すし、足りなくなったら余計取るという分かり易い料金体系と支払いを望むのは、私だけだろうか。

平成9年8月2日 金山 武