戦闘機か体育館か


戦闘機か体育館か
平成10年4月27日、山口地裁下関支部の近下秀明裁判長が下した、いわゆる従軍慰安婦裁判の判決ほど分かり難いものはない。
その内容は、
1、現行憲法制定前の被害に付いては賠償立法を課すことはできない
2、現行憲法の前文や戦争法規を定めた9条が植民地支配の被害者全般への謝罪と賠償を含めた「道義的国家としての義務」を負わせているとの原告側の主張については退け
3、一方戦後補償の立法措置を構ずべきだったとの原告側の主張については、「憲法の規定する基本的人権(13条)の侵害があれば、適切な措置を取られなかった例外的なケースについては国家賠償法上の違法性を問える」、とした。
4、慰安婦制度での旧日本軍の関与を初めて公式に認めた平成5年8月の内閣の調査報告書や河野洋平官房長官(当時)の談話をふまえ、この時点から賠償立法を行う義務が生じたが、合理的立法期間の3年を経過しても国会が立法措置を行わなかったのは違法
5、立法期間が経過した時点からの立法不作為による精神的損害を放置された慰謝料として、賠償義務がある。
6、公式謝罪いついては「政治の独自の判断と裁量で決めるべきであって、裁判所は介入出来ない」。
7、元慰安婦3人に30万円づつ計90万円、女子挺身隊の請求は全て却下
と、いうことなのだが、いやはや日本の裁判とは分かり難い。
アメリカが戦時中に日系アメリカ人への強制収容についての、補償は実に分かりやすい。
アメリカ国籍をもつ日系人について、日系人であることを理由に差別した、その差別したことに付いての謝罪と補償(?)をアメリカ国籍をもつ日系アメリカ人に補償したわけで、今年8月でその申し出での期間が切れるが、どうも、現在アメリカ国籍を有しないものについても摘要されるようである。
この件について、アメリカ大使館に電話したら、実に親切に教えてくれた、また、その応対のスピーデイなこと。パンフレットを見て直ぐ答えてくれた。パンフレットには本人又は、事実を知っている人はアメリカ司法省に連絡してくださいと書いてあります。「ダメ元」だから申請したらいかがですかとも言ってくれた。
慰安婦については、日本軍が関与したかどうかについては、定かではない。従って、政府が補償措置をする必要がないと言う議論もある。
裁判を起こした人たちは、植民地だから差別されたと主張しているが、ついこの間、昭和30年代まで日本には公娼制度があり、売春が政府の公認の元に行われていた。また、医師から、性病にかかっていない事を証明する証明書を定期的に貰わなければ、働けない制度になっていて、私娼を取り締まるということも行われていた。
そこで働く人たちは、人身売買に近い形でつれてこられた人もあった。
戦前、農村で飢饉になれば、娘を売春宿に売ったり、芸者に売ったいりすることが行われていた。たしか、教科書に娘の身売りに警官が立ち会っている写真が載っていた。
従軍慰安婦という言葉は最近になって、誰かが作った言葉である。
戦時中、街に居ても商売にならないから、戦地までついて行ったというのが実態ではなかろうか。
戦後アメリカ軍がやってきて、街にパンパンと言われる娼婦があふれかえった。
どこの国でも戦争に負ければ、男も女も売春しなけば生きられない。
女が売春して、家族を養うしか喰う道はないのである。
なぜ、パンパンというのかその語源は明らかではない。
しかし、昭和30年代になっても売春代はコッペパン一個分程度のものだったらしい。(その当時、夜学に通っていた、会社の先輩が良く学生帽子をポケットにいれてあがったもんだと話していた)
戦時および戦中の日本領土であった当時の朝鮮や、支那においても、ある時期、戦後の日本と同じように庶民の一部は売春婦になることしか生きる道が残っていなかった。
軍隊が強制するまでもなく、娘を売春婦にした。また、せざるを得なかった。
日本に復帰する前の沖縄に行ったことがあるが、沖縄でも同じ事が行われていた。
沖縄には、沖縄以外からも出稼ぎにくる女も多数いた。
今回の裁判も、慰安婦だった人が強制されたのか、任意だったのかは特に事実関係を調べていないようである。
今回の裁判で、注目すべきことは、普通、違法行為に対する賠償責任は、その違法行為の行われていた当時の法律に基づいて行われるのだが、当時の法律ではなく、新憲法下で新しく法律を作って報償しなかったのが悪いとの判断なのである。
どうも、難しくて良く分からない。
慰安婦については、基金が作られ、自衛隊員なんかは半強制的に募金させられているらしいが、その基金の受け取りは元慰安婦側に拒否された。
どうも、むずかしくて分からない。
国会で法律を作って補償することと、民間基金で補償することと彼女たちにとってどう違うのかが分からない。
韓国政府からは最近見舞金が既に支払われているらしい。
アメリカの日系人抑留についての差別は明確である。
アメリカの日系人抑留、ナチスのユダヤ人殺害については、法律に基づいて差別を行ったことがはっきりしている。
慰安婦については、差別の実態が不明である。
任意だったのか、強制されたのか、強制されたとしたら誰に強制されたのかはっきりしない。
今回の慰安婦の場合は、法的には軍が関与したことは証明されていない。
軍が命令で行動する以上、命令書または、通達がなければ、政府の行為とはみなされない。
たとえ、軍が実体的に関与していたとしても、それは、個人の犯罪である。
政府としては、監督責任があるので、軍人が個人で行った犯罪についても、責任があるが、戦時下の個々の犯罪行為について一々証明することは困難であるので、国対国の賠償として補償するのが通常のルールなのではないか。
すでに、賠償は終了し、最近の報道によれば、韓国政府の慰安婦に対する補償も済んだようである。
これ以上何を求めるのか。
今回の、補償金は30万円である。アメリカの補償金は2万ドル(約200万円)、余りにも金額が違わないか。
30万円の根拠も分からない。
何故、彼らが、裁判をするのか分からない、
分からない裁判をなお分からなくしているのが、裁判の受付方法である。
この裁判がそうであるかどうか分からないが、一時、裁判官を選ぶ事が流行った。
訴訟を起こすのに、受付順に担当裁判官が変わることを利用して、自分達に有利な判決を出してくれそうな裁判官が担当するように順番待ちするのである。
通常は、担当裁判官の順番なんか分からないはずだが、色々な手段でそのようにするのだということらしい。
基地問題なんかの裁判に良く使われたらしい。
何れにしても、分からない裁判である。
一部には画期的裁判との評価があるが、わかりにくいものは画期的でありえない。
宇宙のすべてのものは簡明なのである。
例えば、分子は整数個の原子の集合であるように。
遺伝子が3つの要素の組み合わせであるように。
この裁判をもっと簡単にしたらどうなるか。
まず、現憲法が過去に遡及出来るようにする。
必要なら改正すれば良い。
そのことによって、過去の人権侵害を救済すれば良いのである。
国と国の賠償行為がきちんと機能しないのであれば、直接個人賠償をすればいいのではないか。しかし、行儀の悪い国民をそのままにしている国が文句を言ってくるかも知れないが、いつまでも長引くよりはすっきりして良いのではないか。
売春防止法が施行されたとき、彼女たちに救済措置がとられた、前借金の無効、更正の為の職業訓練、帰郷旅費の支給などがあったと思う。
過去に日本人または占領下の住民及び、捕虜などで、人権侵害にあったもの及びその遺族は、200万円を限度として請求に従って補償すれば良い。
軍が関係したとかしないとかを言い出したら切りがない。
侵略だったか、解放戦争だったかなどと言い出したら切りがない。
憲法が押し付けられたかどうかなど言い出したら切りがない。
とにかく、新しい憲法下で日本は生まれ変わった
それなりに、繁栄した。現在の憲法下で見てあるべきでないものは、あるようにしたら良い。
謝罪なんて言い出したら切りがない。
戦争を始めた連中はみんな死刑になった。
みんな死んでしまった。
あやまれと言っても居ないものに謝まらせようが無いではないか。
やることは、救済をやればいい。
今、出来ることを精一杯やればいい。
ODEなんてみんな止めてしまって、直接金をばらまけば良い。
個人救済をすればいい。
国民にきちんと救済処置をしない相手国に賠償なんかしても何の効果もないではないか。 大統領だった者を後から法律を作って監獄に入れるような法的安定性のない国を相手にしても、あれは前政権が勝手に使ってしまった、今度はまた別だなどと何回も賠償させられるのではかなわない。 直接個人に賠償してしまえば、再度の請求は発生しないのではないか。
裁判に勝とうが負けようが、払うべきものは、何時か払わせられる。
それが、因果の法則というものなのだ。
彼らが、すべきことは裁判ではなくて、立法運動なのではないだろうか。
裁判を闘争の手段に使うのはいただけない。
昔、日本が貧乏だったころ
戦闘機一機分で学校の体育館が10棟建つ、戦闘機を止めて体育館を建てようと言う議論があった。
この主張は複雑である。
戦闘機を止めるのか、体育館を建てたいのかどちらなのか分からない。
今でも、戦闘機を作るのに反対しているところを見ると、どうも戦闘機を作るのに反対するために体育館がダシに使われていたように感じるのである。
今度の裁判も人権回復、差別反対と言っているが、どうも狙いが別のところにあるのではないか。
そのことが、問題を複雑怪奇にしているように思える。
彼女達を支援しているように見えて実は利用しているだけだったり。
そのんな、感じがするのだが皆さんはどう思いますか。

(平成10年4月29日)