「心の教室」9の疑問

平成10年5月19日付け、S紙によれば、「群馬県教育委員会は、受験やいじめなどを抱えた中学生たちを対象に、先生や親以外に悩みを打ち開けられる「心の教室を」2学期明けの9月をめどに、100校前後に設置する。

このための財政処置として、設備費7100万円が県の補正予算に組み込まれる。

「心の教室」は各中学校の生徒相談室に、県教委が選んだ選んだ青少年育成団体などに所属する民間人を一人ずつ配属し、悩みごとの相談をうける。」と報じられている。

いくつか、疑問がある

(1)「心の教室」を設置する前に、先生のカウンセリング能力の充実、向上はどうなっているのか。中教審の答申以来学校は、生徒指導について逃げていないか。

今でも、将来も生徒指導の第一線は先生である。先生の一言で、生徒にやる気を出させることも、駄目にすることもある。つい最近、殺人事件になった事例がある。不用意な言葉を吐く先生をそのままにしておいて、相談員を増やしただけで良くなるのか。

(2)相談員をバックアップする体制は、どうなっているのか。神戸の事件では、児童相談所という専門機関が相談を親から受けていたのに、あのような事件になってしまった。児童相談所の能力向上や規模、設備はとうなっているのか。

(3)普通の子が事件を起こすこともあるが、札付きの悪が放置されていないか。

また、離婚や親の蒸発など、保護に欠ける子どもについて相談機関に相談しても、何か事件を起こさない限り、「話を聞くだけ」で何の処置も出来ていないのが現状である。

(4)少年法の検討が日弁連の反対で23年間もされていない。こんな事でいいのか。法整備の後れが今日の問題を引き起こしている根元のような気がする。日弁連は人権、人権というけれど肝心なところで、不作為による人権侵害を続けてきたのではないか。きちんと法整備がなされていたら発生しないですんだ事件がいっぱいあるように思う

(5)相談員になった人は「相談にのる」だけで殆ど何も出来るだけの権限が与えられたいなのではないか、人権擁護委員や、保護司など、きちんと法律に基ずいた、行政や学校に物申すことが出来なければ、単に学校や、行政の弾除けに使かわれるのではないか。

(6)もっと、きちんとした体制整備の上にたって行う必要があるのではないか。7100万円の予算でも、100個所で割れば、70万円、相談員の給与、手当てはほとんどボランテアーとすると、人材確保でどうなのか。

(7)相談員の守秘義務はどうなっているのか。今の子はプライバシーに敏感であり、青少年育成団体の役員などに簡単に親にも先生にも話せないことを話すのだろうか。

(8)役人は、すぐ看板を塗り替えて新しい事業をやって、手柄にする習性があるが、既存の組織や、機関の問題点を充分検討したのだろうか。生命の電話や、いじめ相談電話などの利用状況はどうなのか。

(9)最近の風潮として、家庭に問題がある、家庭に責任がある。と色々な人が言うけれどもそんなことは、100年前から分かっていることである。ならば、どうするのか。

親をどうやって教育するのか。

金属バット殺人事件に見るように、親の手に負えない子どももいる。

それらの問題を「心の教室」がカバーできるのか。

(平成10年5月20日)