情報通信技術で在宅介護


情報通信技術で在宅介護
金山 武
今朝の新聞に郵政省が情報通信技術で在宅介護を支援するということがのっていた。
ああ、またか、この国の福祉政策というものが、ここでも食い物にされている。
先に在宅福祉のあり方があって、その必要から、情報通信は何をすべきかということが出てこなければならない。
とことが、情報通信が先に出てくる訳です。
郵政省は、とにかく情報ハイウエイをなんとしてでもやりたい。在宅福祉はその宣伝手段、隠れ蓑のような気がする。
例えば、介護データをパソコンで検索するにしても、元データが電子化されていなければならない。
丁度、お盆休暇で病院や医院が休みになっているが、大抵当番医が決まっているが、インターネットで直ぐ検索出来る状態になっていない。それも内科や外科が殆どで、眼科や耳鼻咽喉科などの当番医制度は充実していない。
郵政省はハードの高度化に一生懸命であるが、ソフト面の充実をどうするのか。
今度のプランでは健康データのデータベース化ということを言い出しているが、誰が健康データを入力するのか、
大病院ならいざしらず、個人の医院まで情報端末を入れて入力するとなると、大変な労力になる。また、医師の縄張り意識というか、投薬の内容が分かれば、経営実態も分かってしまう。医師会の協力が得られるのであろうか。
厚生省側からの取り組みがなくて、ハード面だけ先走ってどうするのか。今の不景気対策に悪乗りしているとしか思えない。
個人の家に監視カメラを置いて、監視するというが、何人で監視するのであろうか、何千人もの家庭を数人でカメラを切り替えて監視するとしても、毎日毎日なんでもない画像を注視出来るように人間が緊張感を持てるのだろうか。
高齢者の社会参加のために、特別な知識がなくても、口頭指示で操作出来る情報端末を開発するとしているが、その機械で何をさせるのか。ネットワークの先になにを置くのか。精々命の電話のテレビ電話版的なものだとしたらさびしい限りである。
郵政省が、ネットワークや機械の開発をやりたいのは別に在宅介護が本当にやりたいのではなく、予算をとるための名目にしているような気がしてならない。
例えば、郵政省のネットワークが出来たとしてもそのサービスがコスト的にどの程度になるのか、利用するのに誰でも利用できるのか。今の老人福祉施設にしても、順番待ちで長い間またなければならない。普通の病気でも公立の病院に入るには、ベットが空くまで長い間待たなくてはならない。各種議員に口を聞いてもらってやっと入るのが現状である。高齢化社会に対応するには、もっとベーシックな部分から変わってこなければならないのではないだろうか。
在宅で老人介護が出来る環境整備が必要である。
先ず、機械にまかせるのは無理である。
最近病院の窓口が機械化されて、受付や、予約や投薬が機械で行われることが多くなってきたが、機械の前で佇む老人の姿が目立つようになってきた。また、薬局へ処方箋をFAXで送るシステムの場合には、専門の人がついて操作しないとうまく行っていないようである。
先ず、病人や老人は気力体力が低下しており、機械の操作にはなじまない。
外国だと病院ボランテイアの登場であるが、日本ではまだまだである。
老人にとって一番の幸せは、家族が側にいることである。
西洋的な繁栄よりも、東洋的な安定が必要なのである。単身赴任までして稼ぐような効率第一主義は改められなければならない。
家族を犠牲にした企業戦士はもう古い。
子育ての時期に親が家庭に不在では、良い子は育たない。
ドイツなどでは、休日営業は法律で禁止されているそうである。
最近大型店の夜間営業が増えている。昼夜交代制の職場も増えている。
その職場で働く人たちにも子供がいる。
現代に社会は、必要もないのに、物を大量に作って、大量に消費することによって成り立っている面がある。
そろそろ見直しませんか。
(平成10年8月14日)