パパラッチ化する日本のマスコミ

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 平成11年12月10日からの、皇太子妃雅子さまの懐妊のきざし報道の過熱ぶりはどうだろう。
今回の報道が、日頃、反皇室と見られているA新聞によって火をつけられた。
その後はご存知のように、宮内庁の明確な発表がない事もあいまって、政府をまきこむ大騒動に発展した。
電車の中刷り広告には、Y週刊誌などは金色を使ったものまで出たり、Tテレビに至っては宮内庁病院の上空にヘリコプターを長時間飛行させ、病院へ診察に入るときから出てくるまで実況報道を行った。
 宮内庁病院は、皇室専用ではなく、宮内庁の職員や家族も入院してしてると聞くが、テレビに上空にいる間安静が妨げられなかったであろうか。
 中には重症の患者も居たのでは無いかと思う。
脳死からの生体移植の時も、マスコミ各社の報道ぶりはヒンシュクをかったが、どうしてしまったのだろう。
現在の就職難では、マスコミ関係に入社するのは至難の技である。
いわば、日本社会の中ではお悧巧さんの方である。
ヘリコプターの操縦士も、そこに乗るカメラマンも、アナウンサーも、指揮するプロデューサーもそれなりの教養人なのにどうしてしまったのだろう。
 どうも日本のマスコミもパパラッチ化してしまったようだ。イギリスのダイアナ妃をパパラッチが追い掛け回して最後には殺してしまった。
A社の意図がそこにあったとまでは言えないが、同じ効果を演出させたことは確かなようだ。
 一般人の場合は妊娠したかどうかをしつこく聞いたりするのは一種のセクハラ行為と見なされる。
皇室は公人だから、ある程度のプライバシーの開示は必要だとしても一寸加熱し過ぎではないか。
宮内庁では、誰がA社に漏らしたかの犯人探しが始まっているというが、案外外務省あたりから漏れたのではないかとの観測もある。
13日夜になって、診察後の宮内庁の発表は否定も肯定もしないという姿勢で、報道の加熱に一気に水をかけた形になって、さすが宮内庁と言う感じではある。
 今回の報道の中で、一部に皇位継承権が男子に限るべきかどうかが取り沙汰されている。
昔の例で女性の天皇がなかったわけではないが、男子に限るというのも悪くはない面がある。
 血筋と言う面から見れば、一般から皇后、皇太子妃と2代に渉って入って、血が薄められているわけで、その子供にまた、一般から夫君を迎えるとなると、極めて薄まるのではないか。
 男子が生まれなければ、皇位が別な宮家に移ると言う制度のほうが、皇統の維持という面から見ればベターだという気がするのだが。
 報道と言う面から見れば、国民が求めているのは、何時何分に病院に入ったかとかいうことではなくて確実な事実を、報道してくれればそれで良いと思うのだが。
どうも、部分にこだわることが多いような気がする。
最近、単身赴任をしている関係で新聞を一週間貯めて見ている。
後から、見て耐える記事なのかどうか。
速報性は、昔ほど必要無くなってきているのではないか。
重病人の安静を犠牲にしてまで報道する価値があったのかどうか。
いずれにしても、報道も商品も買う人がいて成り立つわけで、何を買うのかという目を養いたいものである。 (
平成11年12月15日未明)

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