花粉症と割り箸

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先日、朝のテレビで花粉症の事をやっていた。
なんでも花粉症の原因は当たり前のようであるが花粉らしいのである。

花粉といっても色々あるが、今時の花粉症には人工林のヒノキとか杉の花粉が大きな役割を演じているようである。
それも、自然林ではなく人工林の花粉が10年前ぐらいから増えたと言うのである。
人工林の花粉が増えるメカニズムは次のような事らしい。
自然林の場合は、木同士が自然淘汰され適当な間隔になるが、
人工林の場合は成長を促進するために間隔を狭く植えてある。
ある程度育つと、間引きして適当な間隔にする。
しかし、最近は人手も無く間引きが行われなくなって来て、過密状態の林野が多くなったと言うのである。
過密状態の木にとっては、此の侭では根も張れず、日も当たらないので、生命の危険にさらされる。
そこで木は自分の子孫(遺伝子)を残すために花粉を大量に生産してばらまくようになったと言うのである。

何故間引きが行われなくなったかと言うと、材木自体の値段が下がったのと、間引いた木即ち間伐材の販売が出来なくなったのに原因がある。
何故間伐材が売れなくなったかというと、思い当たる事がある。
10年前と言えば、熱帯雨林の材木を日本が輸入するので、どんどん無くなってしまうと言う報道が盛んにされた。
そして、その犯人が割り箸だということにされてしまった。

その急先鋒は特にマスコミ労連出身の当時の国会議員(社会党)のU氏などであった。
テレビで「割り箸が間伐材で作られるなって言うのはウソッパッチに決まっていると」と吼えていたのを何回か見たことがある。

林業関係者は、割り箸は間伐材を使って生産するので、熱帯雨林の荒廃には関係ないと主張した。
そして、間伐が行われないと返って山が荒廃すると説明したが、マスコミの熱帯雨林を守れの大合唱の前には成す術も無かった。
かくして、割り箸をプラスチック箸に替える運動が展開されて、官庁の食堂や、大会社の社員食堂から割り箸は消えて、
日本中割り箸を使うと犯罪者と見られるような状態が続いた。

最近は町の食堂で割り箸を見かけるようになっが、まだ官庁の食堂や、大会社の社員食堂などでは結構プラスチック箸のままのところも多い。
食堂に変わって最近ではファミリーレストランが繁盛しているが、殆どのファミリーレストランでは、割り箸を置いていないところが多い。
そして、販路の無くなった間伐材は捨てるしかなくなってしまったという。
捨てるにしても産業破棄物として処分するのに金が掛かるようになってしまった。
林業は成り立たなくなったのである。

山は放置され、荒れ放題となってしまったのである。
そして今日も、山や森では、杉やヒノキは必死になって花粉を振り撒くのである。
森林の保全は単に自然に任せておけば良いと言うことでは出来ない。
いま、海の汚染も上流の森林の荒廃に原因があると言われている。
森林の健康を侵せば、花粉症という形で人間の健康が侵される。
治山治水を怠った人間の驕りがしっぺ返しを受けている。

林業の空洞化を言われて久しい。
この辺で日本の林業の再生を図る必要があるのではないか。
一つの提案をしたい。

最近の子供たちの精神の荒廃は、コンクリート校舎にしたからだという意見もある。
最近は、一部で木造校舎もちらほら建てられるようになって来たが、養護学校など極一部である。

一時、コンクリート校舎でないと補助金が下りなかったが、そのルールは変わったのであろうか。
本当は、コンクリートよりも木造のほうが作り方と保全をちゃんと行えば耐久性があると言われている。

今後の学校の新築時には、出来るだけ木造にするか、少なくとも内部には国産の木材を沢山使っうようにしたらどうだろう。
校舎を建てるときに国産木材を一定割合以上使用したら補助金の率を上げるとか
もっと、国産木材が使われるようするなどの林業が成り立つような事を考える必要があるのではなだろうか。

校舎建築費は上がるかもしれないが今や国民病と言われるまでになっている花粉症の対策費(医療費の低減)として考えるならば
充分勘定があう話だと思ではないだろうか。
そして、木の香りの中で子供たちが優しくすくすくと育つ事を考えると安いものではないだろうか。
林業も子育てもその結果は長い時間が掛かる。
そして、良い事も悪い事も、確実に現れてくるのである。
100年先を見た対策が望まれる。
皆さんは如何お思いになりますか。

(平成14年3月3日 金山 武)


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