特別検察官

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特別検察官

今、鈴木宗男議員の疑惑で沸いている。
その発端は、各党に送られてきた内部告発文書である。
内部文書による国会質問といえば一昔前になるが、現在の社民党が社会党と言っていたころ、防衛関係の秘密文書をかざして
爆弾男といわれた、楢崎代議士などが何回も国会を止めた。
しかし、社会党は凋落して見る影も無い。
今回は、野党共闘の中で、疑惑部分は共産党が担当することになったという。
内部告発が、個人の正義感で行われたのか、外務省内の秘密党員によって行われたのか
はたまた、真紀子の影があるのかは藪の中である。
アメリカなどでは政府や企業内の不正に対する告発を促すために対する刑事訴追の免責や報奨制度によって保証して盛んに告発を奨励した時代があったようである。
旧ソ連圏や、中国では主に政府に反対する個人や団体を密告制度によって押さえ込み政権のを維持する手段として発達してきた。
最近の雪印食品の詐欺事件も関係者の内部告発によって明るみに出た。
政治家に対する内部告発と言えば、数年前アメリカのクリントン大統領の不倫疑惑も内部告発で明るみに出た。
しかし、アメリカ国民は日本のように性急な結論を求めずきちんとした対応を求めた。
アメリカにおいては、議会から特別検察官が任命されて準司法手続きで徹底的に調べまくって結論をだす。
ところが日本では、今度の宗男問題に見られるように、一日でも早く議員辞職をなどと言う議論が沸騰している。
高知県の自民党県連などは、自民党本部に早く処分してくれなどと決議したとか報道されている。
野党は議員辞職勧告決議案を早く上程しろと自民党に迫っている。
早くすることにどれだけの意味があるのか甚だ疑問である。
真相究明をするための国会喚問にしても2時間ではどうにもならないだろう。
ところが、つい2、3日前までは疑惑の追求が不充分だと言っていたのに、今度は
もう真相が解明されてしまったかのように、議員辞職要求に変わって、今や野党も与党も議員辞職勧告の大合唱である。
宗男が議員を辞めればそれで一件落着で幕引き。
この辺がどうも胡散臭い。
野党議員は今ごろ騒いでいるが、本来野党はそのような事が起きないようにチェックする役割もあるのではないだろうか。
疑惑に火を着けてみたが燃え方が大きくなって、今自民党に政権を投げだされても困るのではないか。
先日のラジオの議員経験者のチンペイの話ではないが、議員辞職勧告で議員を辞めた議員は一人も居ないそうである。
実際の効力のない決議を何故こんなにも急ぐのであろうか。
鈴木氏に反論されるのが怖いのかも。
辞職決議を行っても宗男が辞め可能性はゼロに近い。
そんな意味の無い建前だけで事を済まそうとするから国会の権威は落ちるばかりである。質問にしても、どうもテレビに写ればいいと考えていないか。
マスコミも、誰かが意図的にリークした情報をよくチェックもせずに垂れ流している。
議員は言うまでもないが、選挙民の投票で選ばれるのである。
その選挙結果を左右するにはそれなりの根拠が必要であろう。
最近、簡単に議員辞職をしてしまったタレント議員も居たが、選んだ選挙民の意思はどうなるのか。
基本的に議員を罷免するのは、選挙民の判断である。
議員の身分はそれだけ重いのである。
やはり、アメリカのように疑惑に付いては時間をかけてじっくりと真相を明らかにしてもらいたいものである。
早く、早くと急がせる裏には、自分たちに火の粉がかかる事を恐れてのこととの疑念が沸いてくる。
中途半端の追求で処分するだけで、お仕舞では再発の防止にはならない。
昔の武士道的なモラルが期待できない状態では準司法的な制度を作る必要があるのではないか。
アメリカのように特別検察官を国会が任命し、強制捜査権も付与し、徹底的に調査させる。
また、疑惑の議員の反論権や防御権(弁護権)を保証した制度を作るべきであろう。
急いで結論を出す理由は余り無いのではないか。
スピードよりも真実。
真実を明らかにした方が問題の所在が明らかになるのではないだろうか。
準司法的な手続きの結果を発表する事で選挙民が判断できる資料をきちんと出すような事で処理をしないと単にトカゲの尻尾きりに終わってしまうのではないか。
急がば回れではないだろうか。

(平成14年3月13日 金山 武)

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