PTA Q&A(伊勢崎市PTA連合会編)


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  • Q1. PTAって、いったい何?
  • Q2. 生きる力って、いったい何?
  • Q3. 学校教育はどう変わるの?
  • Q4. コンピュータを家でも買ったほうがいい?
  • Q5. 小学校での国際理解教育って?
  • Q6. 完全週休2日になると、どう変わるの?


     

        家庭教育Q&A目次

  • Q1. すぐふてくされます。どうしたらいいの?
  • Q2. 子どもに未来像をあたえたいのですが?
  • Q3. ことばづかいが乱暴です。どうしたらいいの?
  • Q4. ほかの子とくらべてしまいます。どうしたら?
  • Q5. 少し、がまんする気持ちを持たせたいのですが?
  • Q6. 子どもを、どうほめたらいいのか、教えて?
  • Q7. 子どもと対等につきあうほうがいいの?
  • Q8. 子どもについ口出ししてしまいます。
  • Q9. 夫婦間で子育ての意見がくいちがってます
  • Q10.子育てに夢中。これって、いいこと?
  • Q11.○○先生が嫌い?どう答えたらいいの?

        叱り方心得7ヶ条・叱り方禁句ワースト9   

        食卓コミュニケーションわが家風?(ダニエル・カール)

       学校と社会(ジョン・デューイ)


          


    PTAのとりあえずボキャブラ塾

    Q1.PTAって、いったい何?

    A1.ひとことで表現するのは難しいですが、あえてまとめてみると、「子どもたちの将来の幸せのために、親と教師が協力して、今、何をなすべきか、せざるべきかを考え、実行し、共に歩んでゆく会」ということになります。

     雨の日の朝、「子どもが学校へ行くのに、歩いて行かせるのはかわいそうだから、車で送っていってあげたい。」と、どんな親でも感じるものです。しかし、その時、ちょっと立ち止まって、「それがこの子にとっていいことなんだろうか?将来この子が、困難に面したとき、そのことに立ち向かっていく強さをもってくれるだろうか?」というように、その時おとなが子どもに何をしてやりたいか、ということ以上に、子どもが将来、自分で人生を切り開いていく力をつけてくれるためには今、何をしたらいいのか、また、何をしてはいけないのかを考え、親と教師が同じ方向性を持って、全体の子どもたちの幸福を考えて実行していく会がPTAといえます。


     

     

    Q2. 生きる力は、生まれた時から動物も人間も備わっているはずですが、 

       なぜいまさら生きる力を強調するのですか?

    A2.生きる力は動物も人間も生物学的には備わって生まれてきます。し  かし、人間を取り巻く世界は自然環境と社会環境の両方が複雑に関わり合って、常に変化をしています。その変化や問題を読み取って、それに自分を対応させようとする力は、後天的に家庭と学校と地域社会の中で培われます。

     いま、社会は人類が体験したことのないスピードで動いています。子どもたちが大人の社会に出る10年後、15年後の社会を想像することは、ほとんど困難になってきました。そんな中で、子どもたちが大人になったときに、自分で自分の人生を切り開き、人生を味わいのあるものにするためには、他人から指示を受けてやらされるのではなく、自分でどこに問題があって、その問題を解決するために何が必要か、ということを考え行動する自己解決能力を、習慣的に身につけてゆくことが必要となってきました。そして、その中にあっても、花をみて、「きれいだな」と思えるような感性を兼ね備えて持っていることが、彩りのある人生を歩むために必要な重要な要素になります。また、家庭、学校そして地域社会が協力して、いけないことをしたときは叱ったり、よいことをしたときは誉めたり、というふうにして善悪に対しての判断力や正義感などの倫理観を培うということも、子どもたちの将来の社会生活を充実したものにするために欠かせない要素のひとつです。そうした要素を総合的にバランスよく培うことによって、それぞれの個性ある生きる力がついていきます。

    Q3.学校教育が変わるということですが、どう変わるのですか?

    A3.基礎的な部分の学習は従来よりも質を重要視し、量を減らします。そして、創造力を持った魅力ある大人に育ってもらうために、総合的な学習の時間や完全週5日制を導入して、ゆとりの中で自ら学び取れるための環境を整備していこうとしています。物質的豊かさを目標にした教育から、自己実現のために過ごす過程を重視した教育方向に移行していくわけです。

     従来の社会、特に企業の要請は学歴主義でした。今もその傾向は続いていますが、子どもたちが実社会に出るころには、その様子も随分と変わってくると考えられます。日本の中だけで社会活動を営めた時代は、国内の基準、例えば、○○大学卒業というブランドで、その人の能力を数値に置き換えて判断できもしました。しかし、世界が急激に狭くなって、異なった文化や背景の人々と社会を共有するようになると、どこかの国のどの大学を卒業したかという人の歴史よりも、現在何が出来る人か、という総合的能力が、国際化社会の中では必要な基準となってきます。どれだけ覚えているかという知識よりも、どれだけ工夫できるかという知恵が大変重要になってくるわけです。


     総合的な学習の時間の新設や、完全週5日制は、2002年度から実施されます。

    この改革の目的は、教え覚えさせる教育で学びと職業と人生が剥離してしまった傾向を、自らが学んでつかむ、という学習方法に転換することにより、学・職・生をもう一度結びつけようとするところにあります。ですから、充実した基本学習が今までにまして必要となってきます。

     世の中の問題のほとんどが、ひとつの科目の知識だけでは解決できません。

    例えば、稲を作って販売して人生を生きる場合。そこには、稲を育てるという生物科の知識、流通システムを知るための社会科の知識や、自分の作っている商品の紹介をするためのキャッチコピーを考えたりする国語科の知識などを総合的に組み合わせた知恵が必要となるわけです。いくつかの科目や体験を総合して、子どもたちに学ぶことの楽しさや人生における学びの意義を感じ取ってもらうのが、総合的な学習の時間新設の意図といえます。


     総合的な学習の時間は小学校三年以上(週約3時間)、と中学(週約2〜3時間)に設置され、各学校が独自の工夫で、例えば、国際理解(外国語、主に英会話)、情報(コンピュータ、主にインターネット)、環境、福祉・健康などの課題を、地域や学校の特色に応じて扱っていきます。「問題の解決や探求活動に主体的、創造的に取り組む態度を育成する」ことが目的なので、教科書はなく、試験などの数値的評価もしないということになっています。

    Q4.コンピュータを習うようになると、家でも買う必要がありますか?

    A4.コンピュータが授業に取り入れられるようになっても、それは道具として使うだけです。「勉強のため」と無理に買う必要はまったくありません。

     2002年度から実施される新指導要領の目玉が「総合的な学習の時間」です。この中で、「国際理解、情報、環境、福祉・健康」などを扱うことになっていて、その一環がコンピュータや英会話の導入です。いわば、読み、書き、そろばんの現代版です。

     しかし、具体的にどこまでできるのか、学校の先生がたも試行錯誤の段階です。パソコンは勉強に役立つというよりも、学びの道具として考え、子どもたちになれ親しんでもらうことを重要視しています。

     たとえば理科の事業で『サバンナの動物たち』という授業をすると、『あっ、インターネットを見たらもっとわかるね』というふうに、子どもたちがコンピュータに親しみながら、活用する習慣をつけようとしています。コンピュータを使って、いろいろな情報処理や表現の可能性があることを体験から知ってもらうことが導入の目的ですので、家庭での機器購入については冷静に対処する必要があるようです。


     

    Q5.うちの子はABCも知りませんが、英語の授業でも大丈夫?

    A5.全ての小学校で外国語会話を取り入れるわけではありませんが、外国語会話学習の目的は「進んでコミュニケーションを図り、異文化に親しむこと」。詰め込みの受験英語ではないので、心配はありません。

     日本の英語教育というと、「受験英語」という言葉に代表される覚える英語を思い浮かべますが、小学校の外国語会話学習のねらいは、外国の文化に接したり、国際理解を深めることにあります。言語を覚えるというより、子どもたちが異文化に触れながら、外国語で楽しくコミュニケーションをとれるよう、会話を主体に考えていくことになりそうです。文字を主体にした、受験英語とはまったく違う、全人格教育といえるでしょう。

     現在、各都道府県に文部省指定の研究開発校が置かれ、先生がたが工夫しながら、さまざまな授業の試みをしているところです。


    研究開発校での主な共通点は、ネイティブスピーカーのALT(Assistant Language Teacher)と担任が協力して、子どもたちが授業に興味をもって取り組めるよう、いろいろな工夫をしていることです。教室を万国旗で飾ったり、授業にゲームを持ち込んだりして、英語で楽しく時間を過ごすことを心がけています。大事なことは、子ども達から、恥ずかしがる気持ちを取り除いてやることです。『英語嫌い』をつくらないようにすることが、小学校での外国語会話学習の基本だといえます。

    Q6.完全週休2日になると、子どもはどう変わるんでしょうか?

    A6.ゆとりの教育の中でも特に家庭と関わってくるのが、この完全週5日制です。しかし、対応次第では、「ゆとり」どころか子どもたちをいっそう詰め込み教育へ導く結果にもなりかねません。

     親が、子どもの時間の過ごし方をどうとらえるかで、ゆとりどころか、子どもたちをもっと締め付けることにもなってしまいます。

     今回の、教育大改革は子どもたちの内から湧き上がる力を大事にしていこうということです。内から湧き上がる「〜を知りたい」、「〜をしたい」という力が、詰め込み教育による効果を上回ると判断したわけです。そして、体験を授業に取り入れることにより、経験の中で、学ぶことの楽しさや生きること(人生)への興味をもっと深めてもらおうとしています。しかし、親がそのゆとりの時間を塾や家庭学習のみにあててしまっては、もともこもありません。また、その時間をただ放っておくだけでもよい結果は得られません。親の工夫で手作りした時間を、子どもたちと、体験というかたちにして過ごすように心がけましょう。子どもがどう変わるかは、親と教師が教育をどうとらえるか、にかかっています。今回の教育改革が意識改革と呼ばれるゆえんです。




    家庭教育・家庭での親の役割

     伊勢崎市PTA連合会が設立された50年前は、家庭と仕事、仕事と子どもがお互いに近い距離にありました。農家であれば田植えや稲刈りを手伝ったり、家の中でお母さんが織物を織っていたり、物質的には決して恵まれてはいませんでしたが、子どもはおとなと一緒に仕事をしたり、働く親の姿を見て育ちました。そのころは、協力して生活を営む姿があたりまえで、子どもは自然にしつけやルールを、実生活の中で学び取りました。


       家庭と職場との距離           家庭と職場との距離

         昔                今

     生産の場が、家庭近所市外中央都市とだんだんと離れてゆくにつれて、モノは、合理的に生産され、容易に手に入るようになりましたが、その反面、親は子どもの知らない世界で大半の時間を過ごし、モノは子どもにとっては与えられるものになり、自分でつかみとる対象から外れてしまいました。そして、しつけやルールは親が、ふだんの生活の中で、子どもに学ばせることが以前にまして困難になってしまいました。現在の家庭教育は、親が意識して、数少ない偶然の教育機会をとらえると同時に、アウトドア活動やスポーツ、文化活動、ボランティア活動等の意図的に工夫された教育機会をつくっていくことも必要になってきました。



    家庭教育Q&A

    Q1.叱られるとすぐふてくされ全然反省しません。悪いことをしたと思わ

       ないのでしょうか?

    A1.何がいけなかったのか気づかせるような叱り方を考えて。

     くどくどと注意されたり感情的に怒られると、子どもは悪いと思っていてもそれを認める気持ちになれません。一度、いけない行為を注意したらしばらく見守ることです。それを「心をためる」といいます。

     叱るとき、「ためた分量」だけ子どもはやさしさを受けとめ、理解します。「叱る」は謝らせることではなく、本人に気づかせることがいちばん大切なことです。

    Q2.学歴より実力本位の社会になったときのことを考えると、子どもにど

       んな未来像を示してあげればよいのかわかりません。

    A2.親があれこれ考えるのではなく、子どもが夢を抱けるような刺激を。

     単に知識を詰め込むのではなく、世の中にはいろいろな分野、生き方があることを具体的に示してあげましょう。そのためには、親がいつも同じ人とつきあうのではなく、いろいろな人と交流し、親自身も多くの体験からさまざまなことを学ぼうという姿勢をもちましょう。

     子どもは何に興味を示すか、何に夢を抱くのかわかりません。たとえば一緒に美術館や博物館に行ったり、旅先で珍しいものにふれたりなどして、刺激をたくさん与えて、子どもの夢の選択肢を広げてあげるのがお父さんやお母さんの役目です。

     

     

    Q3.最近言葉づかいが乱暴になり、「むかつく」を連発します。「何のこと?」

       と聞いても理由はハッキリしません。

    A3.お母さんも「むかつく」ことがあることを伝えて、子どもの気持ちに共 

       鳴しましょう。

     多少乱暴な表現であっても、子どもにとって、素直に感情を出せる相手がいるというのは、とてもよいことです。感情を言葉に出していえるのは、好ましいことです。

    「何が?」「どうしたの?」としつこく問い詰めるのは逆効果。子どもにしてみれば、むかつく理由をアレコレ説明するより、お母さんに共鳴してもらうことが大事です。そういうときは、乱暴な言葉づかいを一方的に叱ったりせず、お母さんも「最近、なんだかとってもむかつくことがあるの。聞いてくれる?」などといって、腹が立ついろいろなことを、子どもと一緒に話してみましょう。話し合っているうちに、子どもの気持ちもほぐれ、心の中のもやもやした気持ちがすっきりしてくるでしょう。

    Q4.勉強や体力の遅れが気になり、ほかの子どもと比べてしまいます。なん

       とかがんばってほしいのですが、適当な励ましの言葉はありますか?

    A4.「がんばって!」は子どものプレッシャーになるので、避けましょう。

     ほかの子と比べるのは、子どもを傷つけるだけにすぎません。すぐにやめましょう。親自身がほかの親と比べられたらどう感じるでしょう? いままでの過程を振り返ってみて、何がどう成長してきたか、プラス面を見つけ、それを評価してあげましょう。意識的に考え出した励ましの言葉より、それが子どもにとって、何よりの励みになります。「がんばって」は、かえって子どものプレッシャーになるときがあるので避けましょう。

    Q5.欲しいものがあるとすぐに買いたがります。少しがまんさせたいのですが?

    A5.子どもに選ばせる習慣をつけてみては。

     子どもにとって、いまいちばん必要なものを決めるのはたいへん難しいことです。でも、「選ぶこと」=「『いらないもの』を決めて必要なものを残す」という意味で、子どもに自分で選択させることは、子どもの自立心育成に大変役立ちます。

     おもちゃ、おやつ、学用品など、日ごろから「欲しいものは1つ」と決めて選ばせる習慣をつけましょう。初めは、2つのうちから1つ、次に3つのうちから1つというように、選択の幅を広げていきます。選ぶのに時間がかかっても辛抱強く待ち、あまり迷うようなら、声をかけて選ぶきっかけをつくり、「自分で選んだ」という自覚をもたせましょう。

    Q6.子どもをほめるときは、どうほめたらいいのですか?

    A6.ほめる場合によりますが、しつけのテクニックとして「ほめる」のではなく、

       子どもの気持ちに共感しましょう。

     お母さんが子どもに何かを頼んだり、子どもをうまく扱うためにほめることがありますが、あまり関心しません。子どもが何かよいことをしたときや、がんばったときにおだてるようなほめかたも、よい方法とはいえません。こころから子どもと一緒に喜ぶようにしましょう。自分の行動を認めてくれて、一緒に感動してくれるひとがそばにいることは、おとなでも子どもでも大変うれしいことです。

     そして、そういうふうにほめられた心地よさは、記憶に永くのこり、将来の大きなエネルギーになります。また、ほめることと同じくらい大事なのが、叱ることです。

    本人が、一生懸命やって出た結果であれば叱るべきではありませんが、真剣さがまったくないことがハッキリわかるときは、叱っても子どもなりに納得するはずです。

    むしろ、それを黙殺されたら、子どもは見捨てられたと感じるかもしれません。自分にやましさがあるときは、叱ってもらったほうが、かえってスッキリするものです。

    だだし、その場で叱ること。それから、その場かぎりの気分で怒ったりしないよう注意しましょう。

    Q7.子どもとは、わが子としてよりも、対等の人間としてつきあうほうが、

       子どもの自立を早めるというのは本当ですか?

    A7.どちらがいいとはいえません。自立はその子のペースに任せるのがベストです。

     わが子として接すると、自分のモノのように扱いがちです。その結果、つい叱ったり、強制することが多くなり、ともするとお母さんが子どものすべてを操作するようになってしまいます。叱らなくても、お母さんなりの言葉で、子どもにわかるように説明すればよいことです。「こういう方法もあるよ」と示すことは大切です。強制的にお母さんの考えに従わせるのは、子どもが自分で考える力をつけるうえで、妨げになります。 かといって、親はあくまでも親であって、子どもと対等の関係ではありません。対等の関係と思って、友だちのようなつきあい方をするケースがあり、ほほえましい仲よし親子のように見えますが、これでは、なかなか親としての厳しさを示せません。ある面では、子どもをきちっとしつけなくてはいけないわけですから、やはり親としての毅然とした態度が必要です。

     自立はその子のペースでしていけばよいことで、早いか遅いかを争うようなことではありません。結果的に、自分のことは自分でする、自分の行動に責任をもつなど、しっかり自立できればよいことです。

    Q8.子どもを見ていて、危なっかしいとつい口を出してしまいます。

    A8.失敗する体験で、子どもは学んでいきます。

     子どもをよく観察することは大切なことですが、お手伝いのつもりで、子どもの先回りをして子どもの仕事を取ってしまうことはいけないことです。お母さんがすぐに横から口をだすせいで、子どもの持続力を損ねるケースもよくあります。

     その子にはその子なりのリズムやペースがあります。自分なりの方法で最後までやり遂げてこそ、その経験が自信につながります。子どもが絶対に失敗しないようにしてやることが大切なのではなくて、失敗しても何度でも立ちあがる粘りのこころを培うことが大切です。時には、意図的に失敗を体験させることも必要です。

    Q9.夫は体力をつける時期といい、私は学力第一。夫婦間の教育方針の違い

       をどう解決すれば?

    A9.子どもの将来にとって何が大切か、二人で話し合いを。

     夫婦で話し合って折り合いをつけ、子どもに接していくのがベストな方法です。できれば最初から考えを統一しておきたいところですが、途中からでも話し合うことは大切です。子どもにとっては、お父さんとお母さんの意見が違うことがいちばんよくないことです。子どもはお父さんとお母さんの間で、どうしたらいいのか迷ってしまいます。お父さんの期待にも、お母さんの期待にも応えなければならないと、負担に感じてしまいますし、子どもが親に不信感を抱く結果にもなりかねません。子どもの教育方針が夫婦の間で違うのはよくあることです。どんな方針で折り合いをつけるかは夫婦の問題ですが、主役はあくまでも子どもであることを忘れないように。

    Q10.子どもの教育やしつけのことを考えて、続けていた仕事をやめました。

        その反動で子育てに夢中に。これって、子どもには迷惑でしょうか?

    A10.最初は子どももうれしいでしょうが、干渉しすぎがエスカレートしてい

        くのは子どもにも迷惑。お母さんは自分のやりたいことを見つけて。

     親子でお互いに依存し合っている状態は、子どもの自立を遅らせ、お母さんの干渉も激しくなるだけです。お母さんは、子育て以外に自分はどういうことをしたいのかが、わからないのでしょう。こういうお母さんは、いつまでも子離れできずに、子どもべったりの状態が続く恐れがあります。子どもも監視されているようで、迷惑です。

    子離れできず、親離れできない状態は、お互いのためによくないことですから、まず、お母さんは、子どもを育てる以外に、自分のやりたい道を見つけるようにして子どもとの距離をある程度おくようにしましょう。

    Q11.「○○君が嫌い」とか「○○先生が嫌い」と子どもがいうとどう対処していいか

        わかりません。どのように受け答えをすればいいのですか?

    A11.自分の個性と違う人と知り合う時に、はじめ違和感があったりするの 

        は当然です。でも、違う個性や、意見を持ったひとも認められるように話を

        していきましょう。

     真の意味で個性を尊重するということは、「この考えを主張することは自分らしいことだから、ありのままに言おう。けれど人も同じように自分を主張しているのだから意見をよく聞こう。」と発想できるよう、話をしてあげましょう。自分の意見と違う人を排除することは、個性ではなく「わがまま」になってしまいます。さまざまな価値観を認め、一致できる部分を探せるようにすることの大切さを教えていきましょう。



    叱り方心得7ヶ条

    1. 叱る前にまず深呼吸を3回。冷静になる方法を決めましょう。
    2.  体罰はもちろんのこと、言葉によっても、子どもは傷つきます。親がいらいらして「おまえなんか生まれてこなければよかったのに」などと、すてぜりふのような怒り方をすると、子どもの心の成長に悪影響を残します。落ち着く方法を決めておきましょう。

    3. 叱る理由を簡潔に示し、代替案を示す。
    4.  叱るときは、くどくど叱っても効果はありません。これとここが、こうだからいけなかったというふうに、叱る理由を説明するようにしましょう。そのうえで、こうすればよかったはずだね、と代替案を示すようにしましょう。

    5. 親が自分の気持ちを言葉に出して、明確に伝える。
    6.  叱るときに、子どもの人格を傷つける言い方は絶対しないようにしましょう。子どもの自信を失わせ、親の顔色をうかがうオドオドした子どもになってしまいます。親が自分の気持ちを「とても残念でしかたがないわ」など言葉で伝えることが必要です。

    7. 他人と比較するのではなく、その子の過去と比較する。
    8.  親はつい、兄弟、姉妹やよその子どもと比較してしまいます。でも、それは子どもの自身を育てるのには、マイナスにしかなりません。どうしても、比較してしまうときは、他人ではなく、その子の過去と比較するようにしましょう。

    9. 叱る内容は、約束に従って。親もルールを守る。
    10.  叱られ方に理屈が通っていないと、子どもは納得しません。逆に、一度決めた約束ごとには、子どもは素直に従うものです。ただ、親がルールを一方的に押し付けることはよくありません。子どもと一緒に話し合ってルールを決めて、子どもだけではなく、親もそのルールに従う態度を示すことが大切です。

    11. 子どもに完璧さをもとめるのはやめて、60点主義でいく。
    12.  子どもを育てるときに、親は、満点チャイルドを頭においてはいけません。満点主義をやめて、60点主義にすれば、子どものいいところが見えてきます。悪いところを締め付けるのではなく、いいところを発見して、そこをほめましょう。ただ、それが口先だけだと、子どもにばれてしまいます。親がどう思って何をほめたのかを言葉で伝えることも大切です。

    13. 自分で自分を律する態度を育てる問いかけを。

     教育で大切なことは、人が見ているからそれをする、あるいはしない、といった他律的な道徳原理ではなく、「自分で判断する」自律的原理を育てることが大切です。外国ではよく、「人として恥ずかしい」という叱り方をしますが、日本では少々大げさになってしまいます。しかし、「そんなことをしてるとあのおばさんに叱られるよ」といった叱り方は避けるべきです。



    叱り方禁句ワースト9

    1.「早くしなさい」6.「兄ちゃんなんだから我慢しなさい」
    2.「勉強した?」7.「何度いったらわかるの?」
    3.「ちゃんとしなさい」8.「片付けないと捨てちゃうわよ」
    4.「疲れてるから後で」 9.「どうしてできないの?」
    5.「言い訳しないで」


    インタビュー「食卓コミュニケーションわが家風?」

    ダニエル・カール

    タレント。1960年、カリフォルニア生まれ。高校時代に、交換留学生として1年間日本に留学。パシフィック大学卒業後、来日し、文部省英語指導助手として3年間山形県に赴任。現在はタレント業のほか、翻訳・通訳サービス会社を経営。6歳のアレキサンダーくんと奥様の3人家族。

     

     アメリカの子どもは、ただでおこづかいはもらえないんですよ。

    CHORE」(チョアー)といって、“家事手伝い”といえばいいのかな。それをきちんと果たして初めておこづかいがもらえる。つまり“お金は空から降ってこない”ということを小さいころから教えるんです。

     ぼくもそうやって育ちましたから、息子が生まれたとき、これはやらねばなるまいと思いまして、息子にも「CHORE」をさせています。 といっても6歳なんで、難しい仕事はまだ無理。金魚のエサやりとか、食事の後、お皿を台所に運んでテーブルを拭くとか、おもちゃを片づける……そんな程度ですけれどね。

     でも小さいころからやっているせいか、家の仕事はいやがりませんね。皿洗いはぼくの分担なんですが、「よし、アルちゃん。きょうはひとつ皿洗いを手伝ってくれるかな」といえば「あいよ〜」てなもんです。

     ホントはね、親がやったほうがだんぜん手際よくできるけど、子どもに手伝わせることによって、家族の一員だという自覚が出てくるでしょう? それに小さくても、自分は家族の役に立っているという自信がもてる。これ、とてもいいことだと、ぼく思うんです。

    お父さんも子育てに知らんぷりしてちゃダメです

     うちではもうひとつ、息子に赤ちゃん時代から訓練していることがあって、それは「自分の意見をいえるようにする」ということ。逆にいえば、親が子どもの意見をつぶさないようにしよう、と気をつけています。

     たとえば子どもが友だちをぶって、それに対して何か説明をしようとすると、親はつい「いいわけはエエんだから。謝まりなさい」といいたくなるじゃないですか。

     でも、これはやってはいけないこと。小さいころからそんなふうにしていると、子どもは「親に話しても、どうせムダなんだ」と思うようになりますよ。

     そうなっちゃ困るんで、子どもが一生懸命話しているときは、聞きます。すっごい忍耐力がいりますけど(笑い)。そして、子どものいい分が間違っていたら、怒るんじゃなくて

     「それは、お父さん違うと思う」と言ってあげる。

     そうやって子どものいうことに耳を傾けてあげると、子どもっていろいろとしゃべりますよ。

     それにしてもぶっちゃけた話、いまは子育てするのが、ホントに大変な時代になりました。悩んでいるお母さん、多いですよね。加えて、子育ての情報が氾濫しているでしょう。お母さんは、いろんなことが心配になっちゃうんですね。かくいううちの女房も、心配性でなぁ(笑い)。 

     あせもができればアトピーだ、くしゃみをすればインフルエンザだと、いきなり最悪の結論に

    0・03秒の速さで飛びついてしまう。だからぼくとしては「さすけねェ」(山形弁で「大丈夫だ」)といって、女房の気持ちを軽くしてあげるようにしているんですけれどね。

     いまの時代、子育てにはお父さんのサポートが絶対に必要だと思うから、ぼくも、接待ゴルフはお断りして家族の団らんを最優先しています。好きなカラオケも、子どもが生まれてから3回ほどしか行ってないかもしんねぇなぁ……(笑い)。


    学校と社会

    ジョン・デューイ Johon Dewey(1859〜1952)

    「『学校』と社会、とくにいわゆる小社会としての学校には、つぎの二つの基本的なすじみちが託されている。第一に、学校は、暗記と試験による受動的な学習の場ではなく、そのなかで子どもたちが興味にあふれて活動的な社会生活をいとなむ小社会にならなければならない。第二に、この小社会は、単にそこでこどもたちの自発的な活動がおこなわれる小社会であるばかりではなく、現代の社会生活の歴史的進歩を代表する小社会でなければならず、そのために学校と社会とのあいだに活発な相互作用がおこなわれなければならない。学校はこの二つのすじみちにおいて『単純化され、純粋化され、均衡化された』特別の環境となるべきである。そして、子どもたちがこのような小社会の成員として編成され、そこで各自の経験を発展させるとき、大なる社会の進歩のもっとも確実な保障が得られるのである。」

     

    「学校と社会との結合を説く理論は申し分なく普及したが、それは形式的な理論となり、無力なものになっている。いや、単に無力てあるばかりではない。しばしばそれは無力な実践をいいつくろう言葉づかいとして用いられている。人々は言葉のうえでは学校と社会とをむすびつけることを説きながら、実際には学校を社会からひきはなすことにつとめてさえいるのである。そして、その直接の原因として、つぎの二点があげられる。第一には、現在の社会的現実は青少年にたいする悪影響に満ちているので、学校は青少年を悪影響から守るためにいきおい社会から遠ざからざるをえない。第二には、現代の社会は対立的・論争的問題に満ちているので、学校は面倒な問題に巻き込まれないために、社会との間に一定の距離を保たざるをえない。要するに、学校を結びつけようにも結びつけようがない社会の壁に学校は直面しているのである。」

     

     上記は、ジョン・デューイJohon Deweyの「The School and Society」の一節です。

     近代アメリカを代表するプラグマティズム(実用主義)哲学者であり、教育学者でもある筆者が、シカゴ大学付属小学校での三年間にわたる教育実験の中で得た、理論と実際です。

     記述は、今から84年前のアメリカ社会の学校と社会の現状と、望まれる在り方についてのものですが、1世紀近くの時代の変遷を経た今日の日本においても、相通じるものがあるような気がします。

     PTAや青少年育成団体等がコミュニティー活動を通して、学校と社会のより望ましい関係や相互作用を現実のものにしていくためには、学校からの、また、学校への要求をただ単に満たすだけではなく、住民ひとりひとりの意識を基盤とした積極的なとりくみが必要になってくるものと考えます。

     個人の全体社会を思う気持ちを集めた運動を計画的に展開することで、安全で住み安い地域社会、また、学校と社会との望まれる関係が醸成されるものと考えます。

     



    PTAと地域の関わりについて

     子どもの数が多く、塾へ通う子はまれで、コンピュータゲームも無かったころの子どもたちは、学校から帰ってくると学年を超えて近所の子と遊ぶことが常でした。そこには、様々な価値観を持った個性の集まるコミュニティーがあって、けんかや仲間はずれ、遊びの創作、ルール作りなど、好むと好まざるとに関わらず、共生の中で子どもの社会性を磨きました。しかし、現代の子どもたちは、その時間の大半を学校や塾といった、共通の価値観を持ったクローン社会で過ごすことがほとんどになってしまい、個性の違いを尊重し、認め合いながら社会性を培うことが難しくなってきました。

    また、親も地域のコミュニティーから遠く離れた産業社会でその時間の多くを過ごし、地域は社会的に空洞化し、親の、特に、父親の地域での社会性が乏しくなってしまいました。その結果、自分の子ども以外の子どもに無関心(自子主義)になり、社会の親(近所のがんこ親父)の影は薄れ、近所の子どもが目の前で悪いことをしても叱れない社会を作ってしまいました。子どもに、社会のルールや生きることの興味を早くから体得してもらうためには、家庭教育、学校教育、に加えて社会での意図的な相互教育が必要となってきました。

     

     相互教育の考え方を推進することにより、親と子は社会性を復活し、今まで希薄とされていた、子育て情報の相互提供家庭教育の学習機会の充実異年齢児交流の場の創造自主的サークル活動の発生等が期待できます。

     そういった考え方をもとにPTAの役割を位置付けると、下の歯車にたとえることができます。PTA会員と子どもたちは3つの歯車の全てと相互に関わっています。それぞれの歯車の役割と特性を正しく理解したうえで、親として、PTA会員としてまた地域社会の一員として、相互教育をこころがけていくことが大切です。相互教育は自分の子ども以外の子どもも思いやることですので、他人への思いやりの心を親が持つことで、子どもの情操も培われていきます。


    また、相互教育社会では、多彩な個性に触れる合う機会がふえるため、子どもたちに人生に対する興味が芽生えていきます。

     相互教育の精神を理解して、さまざまな人と知り合うことでその輪が広がっていきます。そとへ向かって広がっていこうとする力を運動といいます。そして、運動を通じて、個人や団体が同じ精神で互いにつながり、連携の力を発揮していきます。地表では違った種類に見えるそれぞれの木も、地下の根で共につながっていく可能性があります。PTAは、子ども育成会や青少年団体等とその活動内容や形態が違っていても、それぞれの会の理念や共通の目的でつながり、単独で活動するよりも効率的な成果を上げることが可能です。PTAが他の団体とつながろうとするとき、PTA運動という大きな力を得ることができます。PTAにCommunity が加わりPTCAになります。

     また、活動は、会員である時にしかできませんが、運動はこころを伝えることですから、会員でなくなった後も、また、その他の活動の場面でも続けることができます。子供が学校を卒業してからも、その精神がこころに生きつづけるあいだは、運動を展開できるわけです。そういった、PTA運動の経験者が社会に増えていくことも、PTAの持つ大きな役割のひとつといえるでしょう。


    PTA活動を地表の幹や葉だとすると、PTA運動はその会の精神・理

    念である根ということができます。その根は、同じ種類の他の根とつな

    がっていく可能性があります。つながろうとする力を運動といいます。

    つながった部分から、新しい芽が出て、新しい活動に育っていきます。



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